カプリコン・1(ワン) [DVD]
アポロ計画、その前のジェミニ、マーキュリー計画から宇宙開発に興味のあった僕には、映画館で見たときに場面は火星に設定されている以外は、アポロ計画をおちょくったような中身に腹を立てた記憶がある。
そうした、個人的な話は別としても、今でもアポロ計画は国家的陰謀であるというテレビ番組が、繰り返し蒸し返されている。これらは、瑣末な根拠を針小棒大に騒ぎ立てるものである。
「アポロ13号」を見たうえで、もう一度、この映画を見ると、この映画が、「正義感」とか「国家への監視」といった高邁な精神で作られたものではない、シリアスなパロディーであることがわかる。
お暇ならどうぞ・・・というところでしょうか。
カプリコン・1 [VHS]
人類初の火星到達計画発動。衆人に見守られながらロケットは発射のカウントダウンを始めるも、搭乗パイロット達に突如、命令が下される。「直ちに降りて下さい。説明は後ほど……」。
月面着陸やらせ疑惑を先取りしたような、壮大な嘘に巻き込まれた三名のパイロットの運命は……。
かなり古い作品だから……と、予めハードルを下げておくと意外に楽しめるレトロ・アクション。
リメイクブームに乗って、これもリメイクありか……?
カプリコン・1 [DVD]
激面白かった。久々に意義ある娯楽映画を見た気がしました。薦めやすいのでもっと多くの人に見てもらいたいです。
本作は、もしアポロ11号の疑惑が本当だったら......と仮定して作られたかのような、70年代SFサスペンスアクションの傑作。とにかくその発想が凄まじいタブーになることを承知で作っているので、映画としてエネルギーに満ち溢れている。前半のきな臭いサスペンスから、記者の謎解きが絡み、終盤はアクション満載の逃避行が重なってきて始終テンションが途絶えることが無い。
結局宇宙に行かずして映画は終わります。ラストシーンも何だかあんまり見たことないような感じです。
よくこういう科学的要素も入った映画だと、ついついアラを探してしまったり、「古臭い」とか言いがちですが確かにリメイク見てみたいけども)、そんなの関係ねえとばかりに最高の興奮を観客に見せ付けている、ピーター・ハイアムズ監督の手腕を賞賛したいんです。
ちなみに、「スタジオの火星」上陸時に立てた星条旗ははためいていませんでした。
ジェリー・ゴールドスミス・フィルム・ワークス〈FRONTIERS〉
TVドラマ「スター・トレック/ヴォイジャー」のシーズン4〜7(1997〜2001)に登場し、そのセクシーなSFコスチュームと個性的なキャラで人気を得たセブン・オブ・ナイン(演じたのはジェリ・ライアン)のファンです。ジェリー・ゴールドスミスのサントラは「エイリアン」や「ランボー怒りの脱出」などを持っています。
セブンの事を考えながら聴けるCDはないかと探してみたのですが、「ヴォイジャー」単独サントラは第1話(セブンはまだ出ていない)のものだけだし、メインテーマ以外はジェリーの作曲ではない。本編用BGMは他の作曲家による各話書き下ろしでCD化には向いていない。「スター・トレック」シリーズ全体のコンピレーションベスト盤はいくつか出ていますが、「ヴォイジャー」セブン編以外にさほど興味はなく、できればジェリーの音楽だけを聴きたかった訳です。
その条件に当てはまるのがこの FRONTIERS〈フロンティアーズ〉 というCDでした。ジェリー自身の選曲・指揮による再演奏アルバムで、1997年の録音なのでおそらくセブンの登場に刺激されて企画したんだと思います。ジェリーの既成曲を使ったセブンのイメージアルバムとして捉えると、やや意味不明な選曲の意図も見えてくる。有名な「猿の惑星」が入ってないのに「2300年」から2曲も選ばれていたり、少なくともベスト盤の構成ではない。音楽で1時間SFドラマの雰囲気を再現しているようだ。
この事は試聴して初めて気付いたのですが、実際にCDを通して聴いてみて確信しました。これは“交響詩セブン・オブ・ナイン”で、セブンに対するジェリーのラブレターなんだと。素晴らしい作品をジェリーは遺してくれました。傑作アルバムです☆