インシテミル (文春文庫)
途中から何故か名探偵になってしまう主人公。
その理由も説明あるが・・・じゃあなぜ最初から・・・と言いたくなる。
どうやって主催者はこの行事で黒字を出してるの?とか
某参加者がどうしても金を手に入れたかった理由は何?とか
信じがたいほど超然としている、むしろ超人としか思えないヒロインとか
そういうディテール部分がおろそかだと、せっかく中身がよくても
冷めてしまう。
Story Seller〈3〉 (新潮文庫)
沢木耕太郎「男派と女派 ポーカー・フェイス」、近藤史恵「ゴールよりももっと遠く」、湊かなえ「楽園」、有川浩「作家的一週間」、米澤穂信「満願」、佐藤友哉「555のコッペン」、さだまさし「片恋」を収録している。
沢木耕太郎は、旅エッセイから男と女、どちらからより多く影響を受けたかという話に展開していく。近藤史恵は自転車レースが人生の全てというような男たちの物語。湊かなえは震災で双子の姉妹を失った片割れが、二十歳を目前にして生き直す物語。
有川浩は、作家の一週間の生活の様子、特に新聞社との担当との淫猥な表現についてのギリギリを探るやりとりや、短編のネタを拾う様子などを描いている。
これまでの2冊に比べると、段々とインパクトが弱くなっているかなあという印象を受けた。
Story Seller (新潮文庫)
一定のテーマを設けることはせず、現在の日本文学を代表する7人の作家が、それぞれのテーマで書いた作品を提供しています。
そのため、ありがちなアンソロジー物のような「全体としての統一感」はありませんが、色々なタイプの作品が楽しめるというメリットはあります。
ただし、作品によって好みや評価が分かれるとは思います。
個人的には、伊坂幸太郎・有川浩・本多孝好など、馴染みの作家と並んで、読んでみたいと思っていた道尾秀介・米澤穂信の作品が入っていたので、「新規開拓の入門書」としての役割は大きかった。
期待どおり、道尾さんの「光の箱」は面白かったです。
他の作品も読んでみようと思いました。
Story Seller 2も楽しみです!
送り雛は瑠璃色の
『送り雛は瑠璃色の』です。「文学的」な作品です。
主人公は中学生で、冒険の舞台は自分の街の中。見慣れたはずの風景ですが、次第に怪しい側面を見せ始めます。
なんというか、ストーリーのつながりが悪く、煮え切らない感じなのですが、どうもパラグラフのリンクミスがある模様です。それを別にしても、「流れ」がどうもいまいちです。
次にどこへ行くか?「デパート」「小学校」「中学校」「橋」「神社」「海岸」などあって、どこかへ行ってちょっとしたイベントがあって、また元のパラグラフに戻る、という形式なので、ストーリーが流れる感じがなく、どれくらい進んでいるのやら……コレならゲームにせず小説の方が面白かったかも。
復刻版ですが、値段も割高ですし、その割には表紙デザインなどももう少しです。
でもやっぱり、ゲームブックという良いものが復刊されるのは、いい傾向だと思います。