深呼吸の必要 [DVD]
この作品は「ちゅらさん」の岡田恵和が企画「メトロに乗って」「天国の本屋〜恋火」の篠原哲雄が監督しているということだったので、それなりに期待して観た。そして、期待通りの作品だった。
この作品はその80%がさとうきびを刈るシーンと食事のシーンで構成されているが、その中で日常の自然なドラマが展開される。
きび刈り隊のメンバーの過去やきび刈り隊に参加することになった動機は、詳しくは説明されない(谷原章介と成宮寛貴は少し自分の過去を語るがそれはあくまで一部分)。何らかのストレスを持った人や社会に順応できない人たちが参加していることは展開からわかるが、その他は観る者の経験や現在おかれている状況からきび刈り隊のメンバーの過去や参加動機を想像してふくらまし、観る者が自ら出演者に個性を与えることになる。ある意味、観客参加型で観る者がきび刈り隊を疑似体験することになる。この効果が、きび刈り隊が仕事を終え、ひとりひとりが新たな一歩を踏み出す時の感情を観る者も共有し、日頃のストレスが癒された心地良い感覚に陥るのだと思う。そういうところが素晴らしい作品だ。
役者さんはみんな抑えた演技で自然な若者を演じているところが、この作品の特徴。特に長澤まさみはめずらしく言葉をほとんど発しない地味な役だったが存在感があり、彼女自身の行動が皆に与える影響の大きさがうまく活かされていた。
その他には金子さやかのわがままぶりも良かったが、香里奈はちょっと優等生すぎたか。
ともあれ、若手の役者さんたちの演技もなかなか冴えた久々の邦画の秀作だったと思う。
MY LITTLE LOVERのエンディングも最高だった。
深呼吸の必要 (初回限定版) [DVD]
若い男女の沖縄での35日間のバイト生活だが、その中で
恋愛もなければ、特別大きなイベントもない。メンバーの細かい
エピソードもあまり語られない。大自然の中で、ただひたすら
身体を動かして、キビ刈りをしていくだけである。
でも、キビ刈りを最後まで行うことで、がむしゃらであっても
目的に向かって実際に身体を動かしていくことの清清しさ、
最後までやりきったときの達成感、そして、同じ目的を
共有する仲間同士の連帯感を、キビ刈り隊のメンバーは
感じたのだと思う。
これらをよりダイレクトに伝えるために、最初に書いたような要素は
一切削られているようにも思える。沖縄の風景や、劇中の(小林武史の)
音楽との相乗効果もあり、観ている僕もとっても気持ちがよかった。
Singles
巷にはベストが溢れてますが、このアルバムは文字どうりのベスト盤です。
私は先日シドニーへ旅行したのですが、そのときレンタカーでこのアルバムやら
SELF COLLECTIONを聞きつつドライブしたのですが、なんともマイラバの音楽が
欧米の街の風景にもフィットしてびっくり。
日本で聞くのと違ってとても新鮮でしたね。NOW AND THENとか涙しそうなほどでした。
マイラバの曲はどの曲もそれぞれの世界を持っていて違う絵画を次々に見せて
くれるようです。飽きないんですよね、何度聞いても。
マイラバにはまったのはそれが大きいのですが、それは一見聞きやすい曲でも
細かく聞いていくとすごく時間かけて丁寧に作られてるからだと思います。
例えばDESTINYのイントロのギターの音とか何十回も試してるんじゃないでしょうか?(予想)
小林武史の突出したアレンジ能力とAKKOの甘い声を充分に堪能できます。
個人的に残念なのはevergreenが入ってないことですかね。
Best Collection ~Complete Best~
「Man&Woman」でのデビューから15年、記念すべきベスト盤です。
15年間の全シングルナンバーが時系列に収録されています。沢山聴きまくった曲達なんだけど、こうして聴くと楽曲のアプローチが様々だったり、akkoさんの声が少しずつ変化したりといった事を改めて感じます。そして何より、1曲として同じ印象を与えないし、15年前の楽曲でもそのきらめきや個性が褪せていません。これはスゴい事です。やはりマイラバは、確かな個性と存在感のあるアーティストなんだなあと再確認させられました。
あと個人的に嬉しいのが、Disc.2の「深呼吸の必要」収録!映画主題歌にもなっていた曲ですがシングルのみの収録だったので、これを機に沢山の人に聴いて欲しいです。清々しい音楽に胸打つ歌詞、akkoさんのピュアな歌声が光る素敵な1曲です。
僕はマイラバをリアルタイムで聴いた世代ではなく、10年位遅れて聴き出しましたが、こういった作品でマイラバの音楽を堪能出来るのはとても感動です。 是非沢山の人たちに、この作品と出逢って欲しいなあと思います。