誰も寝てはならぬ(特典映像付)
べー・チェチョルさん、とても魅力的なテノール!!ソプラノの関定子さん、ピアノの呉恵珠さんとの共演で、オペラを解りやすく教えてくれるコンサートで聞きました!!冨士眞奈美さん、吉行和子さん、今はもう亡くなられた岸田今日子さんと、ヴォイス・ファクトリーの輪嶋東太郎さんのおしゃべりで、オペラの解説と、女優さんならではの歌詞の朗読が新鮮でした。べーさんは韓国の方だそうですが、イタリア人の歌としか思えないくらい太く、包み込むような歌声で魅力的で、男性的で、初めて聴いて夢中になったのもつかのま、甲状腺がんという病魔に冒され、歌を歌う事が出来なくなったと、聞きました。コンサートで寄付をしたりして、歌えた頃の映像を見ながら、輪嶋さんが近況を報告されていましたが、年末の、NHKのドキュメンタリーで、ベーさんと、べーさんの再起を陰ながら支える輪嶋さんの番組を見ました。家族でさえ憎しみあうほど悲しい事件が多い現代に、他人、それも国の壁をも越えて、こんなに感動的な友情があるのかと涙が出ました。ベーさんは現在はリハビリ中でかなり歌声を取り戻したそうです。このCDにはありませんが、ドキュメンタリーで歌っていらした賛美歌には心から音楽の素晴らしさを感じました。CDは全盛の頃の歌が入っています。このCDを買うとベーさんの支援にもなるそうです。この歌声をまた聞ける日がくるのを楽しみにしています。
桜の森の満開の下
頭っからシッポの先まで、これでもかと名作を叩きつける、サディスティック・アルバム。こんな楽曲の鞭でシバかれたら、ヘロヘロになっちゃうけどそれも快感だ。「心の火事」は、椅子をよく知らない人でも、オオッ!と思えるハズ。
是非聴いてみて下さい。
ぼくとチェルノブイリのこどもたちの5年間 (ノンフィクション・隣人たちの哲学)
東野圭吾の「天空の蜂」を読み、原発のことも少しは知っておこうと手に取りました。小中学生向けに書かれたようですが、あの事件について拙い知識しかない私には、冒頭に簡潔にまとめられたあの事件の経緯だけでも十分勉強になりました。本書では、専門医の著者が多くの甲状腺癌の子どもを執刀した体験に多くのページが割かれており、あの事故の犠牲者のごく一部を垣間見ることができます。甲状腺の癌は男性より女性が罹患しやすく、放射線被害は大人より子どもに重大なダメージを与えるという事実もはじめて知りました。表紙は、タンポポが咲く美しい野原ですが、ここも人が住めないほど汚染された地域の写真だそうで、臭いも味もしない放射線物質の被害の恐怖を物語っています。