ベスト・クラシック100
ちょっと短いかなーってのが印象だけど
オイシイところばかりを集めているので
クラシックCDを買い始めるためのカタログとしては良いと思います。
ただ、あまりに曲がコロコロ変わるのでBGMには向きません。
ヴェルディ:歌劇≪オテロ≫ミラノ・スカラ座2001年 [DVD]
このオペラは、椿姫やリゴレットのように親しみやすいアリアが一杯出てくるわけではないのですが、終わりまで退屈することなく一気に鑑賞することが出来ました。何よりもムーティの求心力のある、流れるような指揮が素晴らしく、どこを切っても血が出るようです。また、丁度60歳を迎えたばかりのドミンゴのすばらしさ・・・・確かに以前のように楽に高音は出なくなっていたかもしれませんが、必要なところではきちっと歌いこなしています。日ごろの努力の賜物ではないかと思われます。また、妻の不倫の疑惑に苦しめられる迫真の演技が素晴らしく、一流のシェークスピア役者とも言えます。ヌッチは、少しわざとらしい、分かり過ぎる演技が鼻に付くところもないわけではないのですが、余人をもって代えがたい歌手という気がします。カターニは、若い美男の副官の役回りにぴったりです。デスデモーナもぴったりでした。こういう素晴らしい演奏なら、ヴェルディのオペラを全部見てみたいと思いました。
トロヴァトーレ*歌劇 [DVD]
歌手陣は文句なく素晴らしい。衣装や舞台装置なども豪華で、さすがメトロポリタンといったところ。アズチェーナの演技が見事で、まさに『鬼気迫って』いる。彼女の出来如何によって、このオペラ全体の出来が決まってしまうと言っても過言ではないので、その点彼女は文句なし。物語に必然性を作っている。レオノーラを歌ったマルトンも素晴らしい。重箱の隅をつつくような言い方をすると、多少高音がフラット系になるが、オケとピッチが合わないとなるや、根性で修正をかけるところは見事。重い声なのにガッツで転がしている。プリマドンナ魂に圧倒された。ただ、惜しむらくは貫禄と迫力がありすぎて、ヴィジュアル的にも歌唱的にも「乙女」とは言いがたい。ルーナ伯爵に誓うところなど、あまりの迫力につい意識が遠のいた。ルーナ伯爵はインパクトはそれほどでもないが、『かっこいいおじ様』という感じ。美容院に行きたてという髪型もなんだかそれっぽい。高音の響きが多少被るような気がするが、別に気になるほどでもない。フェランドを歌ったWELLSは、芝居がかっていて非常に楽しい。ヘタするとルーナ伯爵とキャラが被ってしまうところを、うまく回避している。ト書きが見えるような表情でとても愉快。パヴァロッティのマンリーコは、文句なく素晴らしい。まさに黄金のトランペットのような完璧な響き。しかし!!! パヴァロッティ以外のキャストの声質が、どちらかというと(かなり)重厚な人選で揃ってしまっているため、彼の声だけがものすごーく異質に聞こえてしまうことも否めない。舞台装置その他全て『悲劇!』と主張しているのに、パヴァロッティが出て来て一声発するだけで、なんだか『オー・ソーレ・ミーオ!』みたいな感じになってしまう。燦然と光り輝く『シアワセv』光線を発してしまうのだ。彼が出て来て歌うと、なんだか嬉しくなって今までの事を全部忘れてしまう。さすがにパヴァロッティは偉大だ。と言うわけで、全てが素晴らしいけれど、オペラとしての出来はパヴァロッティが浮いているので星4.5。
名序曲集
私も初心者です。少し前からオペラのアリア集を聴いていいなーと思い始め、でもオペラを全曲を通してはまだ聴く自信がないんです。でもこの序曲集は2枚組というボリュームとその演奏・指揮者の豪華さ、リーズナブルな価格を考えるとまったく損はないCDだと思います。楽しいですよ
ヴェルディ:歌劇《椿姫》 [DVD]
最近、オペラを現代風にアレンジすることが増えてきて、いくら素晴らしいソプラノやテノールがいてもそのような演出に馴染めないでいました。でもこれは違いました。殆ど舞台セットがないシンプルなステージ上で、赤いドレスのヴィオレッタを演じるソプラノ歌手アンナ・ネトレプコがとてもエネルギッシュ。その歌声だけでなく、抜群のスタイルでステージ狭しと動き回り、気付かないうちに夢中になって見ていました。
「これは、オペラ椿姫じゃない!」という人もいると思いますが、わたしは理屈抜きで楽しみました。アルフレード役のロランド・ビリャソンとの掛け合いもすばらしく、悲恋の運命に向かって盛り上がっていきます。有名なアリアもあちこちに出てくるので、友だちへの誕生日プレゼントとして選びました。あまりオペラに興味のない人にも、一度見てもらいたい、そんな作品です。