A Happy Pocket
一番、地味に発売された96年の3枚目。本人たちの風貌も地味だったため、いくら音楽が素晴らしくても、だんだんと音楽業界から無視され始めるのが3枚目あたりという優良バンドは、ほんとに多い。この後、トラキャンも長きに渡る沈黙期に入り、一時は自己破産まで追い込まれたというから大変だ。まあ、日本ではAVEXからではあったが、見事2004年に復活を遂げたので、やはり底力はあるバンドなんだが、そこまで8年も経ったのは、音楽の世界にとっての損失だったとしか言いようがない。
それほどにどのアルバムも素晴らしく、この地味に発売された3rdもやはり美しい曲から、躍動感のある曲まで、卓越したメロディセンスとアレンジの妙を堪能できる。正統派で上手さもありながら、瑞々しい情感を忘れていない点も見逃せない。どうして、この内容でほとんど無視されてしまったのか、それはレコード業界だけの問題ではなく、リスナーにも問題点はあるような気がする。新たな音楽の聴き方としてダウンロードが徐々に強くなってきているが、それで目新しいものと、そうでないけれど素晴らしいものなどが同列に扱われるようになればと思うが、それにはまずリスナーが音楽を音楽として聴くという大前提がなければ厳しいような気がする。
In the Music
キラキラと若さ溢れる1st。
青緑色の深い森・・・僕がTrashcan sinatrasに最初に惚れたアルバムの2nd。
美しさとユーモア、大傑作!・・・なのになぜ売れない?再発してくれ!の3rd。
待望の復活!期待と不安の答えは・・・最高じゃん!!の4th。
素晴らしい内容&ベスト盤としてもオススメなライブアルバムをはさみまして、ついに5thとなりました。“活動を続けてくれてるだけでもうれしい!”と思いつつ、やっぱ内容が気になるのも確か。そしてその感想は・・・すげえ・・・美しい・・・。
ジャケットデザインがちょっと意外だったので不安でドキドキ。でもスピーカーから流れてきたのはまぎれもないtrashcan sinatrasの音楽!歳を重ね、ストレートかつ味わい深いアルバムになってます〜。捨て曲なんて当然皆無!!絶対買うべきだって!!!