
チェルニーってつまらないの?―「チェルニー30番」から何を読みとるか
『21世紀ヘのチェルニー 訓練と楽しさと』
がチェルニー(ツェルニー)の効果に疑問を呈しているのとは逆で、チェルニーは「やった方がよい」という前提で、「学ぼうと思えばこんなにいろいろ学べる」と楽曲分析をした本です。
悪く言えば、嫌がる子供をなだめすかす本です。
したがって、「チェルニーはほんとに役に立つのか」という肝心なところには触れていません。やって当たり前ということでしょう。
確かにチェルニーだって、凡庸とはいえ、曲といえば曲なので、学ぼうと思えば楽曲分析等、色々学べるのでしょうが、それはどうしてもチェルニーでなければ出来ないのでしょうか。
他の大作曲家の楽曲分析(アナリーゼ)の方が得るものが多いと思います。
『ベートーヴェン ソナタ・エリーゼ・アナリーゼ』
『和声と楽式のアナリーゼ』
など、他に優れた楽曲分析本があるので、それらに当たってみた方がよいでしょう。