あやし (角川文庫)
どの話も読んでいて背筋がゾクッとする。あからさまに幽霊などが
出てくる話ばかりではない。だが怖い。「居眠り心中」「布団部屋」
「女の首」では、人の怨念の怖ろしさを感じた。また、「梅の雨降る」
「時雨鬼」では、心の中に潜む鬼の存在が怖ろしかった。どんな人でも
人を怨むことはあるだろうし、心の中に鬼がいるのだろう。だが、それに
負けてはいけない。人は、常に自分の心と戦っていかなくてはならないのだと
思う。不思議で、怖くて、そしてちょっぴり切ない作品だった。
影牢2 -Dark Illusion- 公式パーフェクトガイド
「パーフェクトガイド」と銘打つだけあって、隠し罠を含む全ての罠のデータ、サイドストーリーやサバイバルモードに登場する全ての敵のデータ等、先に発売された「マスターガイド」に掲載されていなかったデータが多数収録されています。
ただ、攻略に役に立つのかといえば別の問題で、トラップバトルの特性を効果範囲などの図を交えて懇切丁寧に解説していた「マスターガイド」のほうがやり込んでいない方には役立つと思います。
読んでいて面白い記述も少ないし、裏情報や開発者の声が聞けるわけでもない、写真等のビジュアル面でもイマイチぱっとしないなど、少々期待はずれと言わざるを得ない一冊です。データブックとしてはパーフェクトなのかもしれませんが、それ以上でもそれ以下でもないですね。
影牢2 Dark illusion ザ・マスターガイド (電撃プレイステーション)
アクションの肝である、トラップの性能、部屋の仕掛け、侵入者の特性等のデータに関してはかなり詳細、且つ判りやすく解説されているので、プレイに役立つことは間違いありません。
ただ、本当にデータがメインで、世界観やキャラクターについての解説、裏設定や開発者のインタビューといった読み物として楽しめる要素がほぼ皆無だし、サイドストーリーやサバイバルモード、隠し要素についてもほとんど触れられていないのが残念。
あくまでもトラップアクションをマスターするための指南書であると理解しておくと良いと思います。
影牢II Dark illusion
まず言えることは、前作よりかなり取っつきやすくなっており短時間でクリヤー
できるようになっていると思います。また、このゲームの魅力である罠をはめることの爽快感は十分味わえます。
しかし、トラップの種類がもう少し欲しいと感じます。
具体的には蒼魔灯であったように標準装備をアップグレードしたり新しい効果を付与できたりする
トラップの発展要素があるとよいと思いました。
また、シナリオの分岐が少なくしかも終末が大きく変わるような変化がないため
「もしも」の部分が楽しめないという感じがします。
あとはテクニカルなことですが、バグが多いことがあります。凍ったまま動き出したり、
花瓶をかぶったのに無効になるようなことが結構頻発します。
また、台詞をとばすことが出来ず、ミッション前のムービーを全部とばすか全部聞くかしかない
という点は改善した方がいいように思います。
また分岐の部分のストーリーの部分は全くとばせないので、2週目以降は必要
ないので、選択肢の前までとばせるようにした方がいいように思います。
ストーリー的に最も奥深さを感じるのは、悪を犯すことに対する動機が人間の不条理さ
と結びついていた前作の影牢が最もよかったように思います。
このような背徳的な部分を出せないのは、社会的風潮もあると思いますが、
街中で人間を撃ち殺して回るようなゲームに比べると、人間の不条理さを浮き彫りに
し殺すことの意味を考えさせるゲームであるなら、遙かに価値があると思いましたが、いかがでしょうか。
そういう意味で、今後もストーリー的にもっと悪に踏み込んだ世界観を展開した希少なゲームとして期待しています。