金輪祭 [DVD]
「クレイジー・ダイアモンズ」でサンハウスの事を知った自分としては、映像で見るサンハウス、しかも黄金期のメンバーとあって大興奮です。チケットの争奪戦が激しかったリキッドルーム公演にいけなかった悔しさもあり、こうしてライブを追体験できるのも嬉しい限りです。「キングスネーク・ブルース」「地獄へドライブ」などお馴染みの名曲群ももちろん、「雨」など久しぶりの曲が聞けるのも素敵。個人的には「クレイジー・ダイアモンズ」で聞き馴染んだ後期の攻撃的ナンバー「ビールスカプセル」「カラカラ」が最高です。また、副音声で柴山さん、鮎川さんのコメンタリーが聞けるのも嬉しい配慮。まさに完璧な内容。永久保存版の1本です!!
有頂天家族 (幻冬舎文庫)
狸鍋にされこの世をあっけなく去った父が残した4匹の狸の名門下鴨家兄弟とその母。どこかしら頼りない4匹の兄弟の匹敵は、父の弟である夷川家の伯父とその息子達であった。化かしあいをしつつ兄弟で一致団結して下鴨家の誇りを取り戻すことが出来るのか?落ちぶれた天狗と半天狗の人間弁天もそれに加わって物語が始まる!!
★阿呆なお話なんですが、でも深いと思います。そして、読んでいて思わず「プッ…」と吹き出しそうになる程オモシロいです。★たった一匹の弟と敵対してしまった父の無念さが、切ないです。しかし、その反面で父の思いを深く汲んだ息子達が一致団結してお家の一大事を無事にやり過ごす姿は、とても爽やかでほんわかとしました。★森見さんらしい京都を舞台にした物語です。
オレの妹のエロさが有頂天でとどまる事を知らない
普通に面白いと私は思います。
なんやら悪く言われているようですが、良い悪いを決めるのは実際に見てみないと分かりません。
もしこれを買うと思いのあなた、あなたはこれが面白そうと思って買うのであれば買ったほうがいいでしょう。
買わないで後悔するより、買って後悔しましょう。ちなみに私は後悔はしていません。
有頂天家族
洛中を舞台に、天狗、人間、そして狸の眷属が三つ巴、縦横無尽の大活劇を魅せてくれる面白小説。
往年の天狗力、今いずこの赤玉先生。半人間、半天狗の美女・弁天。四匹よれば、時には百人力の狸魂を発揮する下鴨(しもがも)四兄弟。下鴨ファミリーとは宿命の抗争を繰り返す夷川(えびすがわ)ファミリーの金閣、銀閣の兄弟。などなど、登場するキャラクターたちの、のほほんとした言動と化かし合いが、なんとも飄々としていて痛快。楽しかったです。
また、『夜は短し歩けよ乙女』を彷彿させる、森見ワールドならではの歌い、踊り、流れるような筆致。ひょいひょいとつながって行くエピソード、その連係プレイがとってもイケてる話の展開。そういうところが、実にいいんだなあ。
終章の話の疾走感などは、遊園地で人気のアトラクションに乗ってるみたいな、スリリングな楽しさがいっぱい。帯の背表紙のところに書いてあるとおり、「面白きことは良きことなり!」であるなあと、存分に堪能させられました。
下鴨ファミリーを結ぶ強い家族愛にも、ぐっときました。そのほろりとさせられる味わいは、忘年会で鍋料理をはふはふ言いながら食すのにも似たあたたかさがあったなあ。
幻冬舎の「パピルス」、2005年10月号〜2007年2月号に掲載されたものに、書き下ろしを加えた作品。
この話につづく「有頂天家族」シリーズ第二部、第一話「二代目の帰朝」が、2007年10月27日発売の「パピルス」15号に掲載予定の由。待て、しばし。楽しみになってきました。
THE 有頂天ホテル スペシャル・エディション [DVD]
非常によくできているし、
まとまっていておもしろいことはおもしろいんだけど、
何か作りこんでいるわりに、
決定的に足りないものを感じてしまうのはなぜだろう。
笑わそう笑わそうという意図があまりに見え透いていているからなのか。
いろんな人たちが出てくるわりに、
結局パターンは一緒で「やりたいことがやれない」ということだけだからか。
なんかね、テーマもいいし、言いたいこともわかるし、
舞台装置も個性派キャスト陣もいいんだけど、
何か底の浅さみたいなものを感じずにはいられない。
どうせ笑い飛ばすんだったら、もっともっと浅はかにやればいいし、
シリアスに描くなら徹底してシリアスに描けばいい。
浅はかでもないシリアスでもない、
その中途半端さ加減こそ、もしかしたら三谷監督の持ち味なのかもしれないのだが、
よくできているだけにその中途半端さが際立ってしまって、
それが物足りなさの原因になっていると思う。