花のひと―孝夫から仁左衛門へ
片岡孝夫から仁左衛門襲名までの一俳優の人生を描く。大病のこと、奥さんとのなれそめなど、単なる歌舞伎ファンでは知り得ない役者の人生、生い立ちについて、控えめに、実に淡々と描写。昔、孝夫・玉三郎時代にたまたま見た芝居があまりに美しく、今もまぶたに焼き付いている程度の知識の歌舞伎ファンにとって、今をときめいていた(とその時は思った)孝夫にも、結構不遇な時代があったのだな、と感慨深い本(知らなかった)。今なお若い役をやっても全く年を感じさせない仁左衛門はやはり「花のひと」と実感。
ビクター邦楽名曲選(9) 歌舞伎/勧進帳
出演は15世市村羽左衛門の富樫、夭逝した12世片岡仁左衛門、そして弁慶には7世松本幸四郎と豪華です。さらに片岡八郎役に市川海老蔵(後の11世市川團十郎)駿河次郎役に市川染五郎(後の8世松本幸四郎すなわち松本白鴎)の兄弟が演じています。ライブではなくスタジオ録音であること、LPの時間制約から台詞に若干の変化があることが残念ですが、歴史的に貴重な版とおもいます。
第29作 男はつらいよ 寅次郎あじさいの恋 HDリマスター版 [DVD]
「男はつらいよ」の中で、私が最も好きな作品です。
寅さんとかがり(石田あゆみ)の恋は儚く、悲しい結末となってしまいます。
寅さんに恋するマドンナと、それを知りながら何もできない寅さんの不器用さが交錯し、情感豊かな素晴らしい名作となっています。丹後の漁師町の風景も素晴らしいです。
いつの日か、寅さんとかがり(石田あゆみ)が結ばれて欲しいなと切なく思いました。