負けるのは美しく (集英社文庫)
学習院大の独文学卒の児玉さんが母の突然の死で大学院を諦め、運命的な必然なる偶然が重なり俳優となり、艱難辛苦を経て現在(2005年)に至るまでを綴ったエッセイ。
20年近く前の浪人生時代にドラマ「ラストダンス」で、家族思いの研究者が慕われる部下と図らずも不倫の深みに嵌って行くドラマを見てこの俳優さんは特異な美しさ(清潔感)があると印象付けられたのを良く覚えていますが、本書を読み「負けるのは美しく」をモットーとする児玉さんの生き様の美しさに深い感銘を受けました。
最終章の胃癌の為36歳の若さで亡くなった娘さんとの想い出と病院(匿名)の許し難い対応を綴った文章は、舌・食道・胃癌を併発し痛みに耐え亡くなった父を私に思い出させ我事のようにとても痛ましい気持ちで拝読しました。
終戦時に中学生だった児玉さんは、学童疎開・戦争・敗戦の痛み、母の死、理不尽な苦しみを背負った俳優生活の最初の10年、娘の死等の多くの葛藤や悲しみを背負う中、本が様々な葛藤を吸収し、生きる活力を与えてくれたと述懐されていますが、中途半端な作家には到底描けない、極めて美しい、清潔感と客観性と深い思慮に満ちた珠玉のエッセイ集です。
あなたのために―いのちを支えるスープ
この本で私と家族のいのちは支えられています。
だしパックを使うのをやめて、1番だしと2番だしをひき、ペットボトルに入れて冷蔵庫に保存して、
冬場は一週間、夏場はまぁ・・・もって3,4日かな?それでお料理しています。
やっぱりそうすると何度炊いても美味しいし、身体も喜んでいます。
最初に紹介されている「玄米スープ」は胃腸が弱くて繊維質を採りにくい方にもお薦めです。
涙が出るほど優しい味と温もりで包んでくれますよ。
カバーも中身も本当に素晴らしいです。
もう何人に薦めたか忘れました。あなたにもお薦めします。
胃を切った人の食事―おいしく食べて治す 消化器をいたわるレシピ200 (おいしく食べて治す)
胃全摘を受けて、半年が経っていないのですが、この本は、的を得た食事の仕方を指摘していると思います。胃切除後の食事指導が、栄養指導に偏らず、どのように何を食べれば良いのかが分かります。レシピは、人それぞれでしょうから、食べたいものを好きなようにで、例示されているだけ、と考えたほうが良いようです。
胃切除後の食事は、
1.消化の良いものを、少量づつ
2.ゆっくりと、良く噛んで
3.フードプロセッサーなどで下ごしらえして
4.調理法は、煮る、茹でる、蒸す で
5.動物性脂肪は控える
というのが要点だと思います。
DEMECAL(デメカル)ピロリ菌検査キット(胃がんリスクチェック)
抗体が陽性か陰性かを知りたいだけの人にとっては十分でしょう。
数値が記されてくるけれども、その数値にどういった意味があるのかについては一言も記載がない。
結果、自分でピロリ菌について調べまくることになります。
・ピロリ菌保菌者で胃の疾病に罹る人は5%くらいであること(研究によって多少の誤差有)
・胃潰瘍、十二指腸潰瘍に罹患している場合のみピロリ菌の除菌にも保険が適用される
・胃炎の場合にはピロリ菌の除菌には保険が適用されない
・一度除菌しても、再感染したという書き込みが幾つも見られる
・潰瘍を繰り返す人には除菌は効果があるといえる
・ピロリ菌は胃酸には強いが、特定の食物(乳酸菌、ブロッコリーのスプラウト、マヌカハニー等)に減菌効果がある
・ピロリ菌には常在菌としての役割もある可能性がある
・除菌により食道がんが増える可能性が指摘されている
・胃の疾病に罹った人の9割にピロリ菌が発見されている
結局、未だにピロリ菌に関しては良く分かってない部分があるように感じられた。
除菌するかどうかは最終的に本人の判断に任される気がする。