サクマ式ドロップス 復刻版
DVD(火垂るの墓)を購入して、この[サクマ式ドロップス]を知りました。
随分と古い(失礼)会社が作ってたんですね、昭和25年生まれの私達の時代
には甘いものは少なく、たまの学校給食はこっぺパンとヒジキと脱脂粉乳が唯一
のご馳走でした。
この商品(サクマ式ドロップス)には当時の貧しかった時代を彷彿させる味が
あります・・・・特に(・・・式・・・・・)はレトロで気に入りました。
友人に上げたらすごく気に入って「食べずにTV台に飾って置くよ!」・・・・
先日行ったら、封印破れていました^^「やはり、食べたんですね」^^:
お勧め商品です。
火垂(ほた)るの墓 [DVD]
原作は野坂昭如。
野坂の作品は、アニメでしか描けない微妙世界。
母が死に、海軍軍人の父も行方しれず。西宮の親戚にあずけられた少年と少女はどう扱われるのか。
邪魔者としてあつかわれるに決まっている。
少年は妹を護ることができるのだろうか。
きっとできない。
空襲。焼け野原。蛍の群れ。栄養不良。
主人公清太の役割は大きすぎた。
世界状況がわかるわけがない。かれは職業軍人の息子であり、母をみとり、妹を護らないといけないのだ。
敗戦も妹の死後知った。信じていた日本帝国海軍も壊滅していた。だれも彼に教えてくれなかった。
妹尾河童の「少年H」と比較してしまう。「少年H」の父親は紳士服の仕立屋で世界中の情報を知っていた。そして、子ども2人を護りきった。おませな「少年H」と、「火垂るの墓」の14歳の軍人の息子清太の違い。民
間の生活者と職業軍人の息子の違いである。知識量と戦争への判断力が全く違う。レベルが違う。
「火垂るの墓」ではこの海軍さんの一家は全員死んでしまった。
つらすぎる話しだ。
1988年、映画館では戦争で人生がひっくりかえった体験者はひそかに観ていた。そして、声を殺して涙を流しつづけていた。
無謀な戦争に追い込まれたのか、それに突進していたのか判断はそれぞれ違うであろうが、肉親の死は体験している。
そういう大人達が映画館で泣いてしまったのだ。
制作者に敬意を表する。
立派。
終戦六十年スペシャルドラマ 火垂るの墓 [DVD]
アニメを見たその日に実写も見ました。
実写では、アニメでは描かれなかった細かい部分まで時間をかけて描かれています。 だから、アニメでは描写不足か私の理解不足かでいまいち納得できない部分も実写では理解できるように作られていました。視聴者を納得させるためにストーリーや人物像も多少変えています。この点には賛否両論あると思います。アニメとは別物なのです。
例えば、実写版では清太が叔母さんの家で怠け者だと非難されても節子の側にいようとしたのは父の言葉が理由だったことがわかります。冒頭で「お前が大黒柱として母と妹を守れ」と言った父の言葉を誠実に守ろうとしたのです。その証拠は清太の発言や父の言葉の回想に現れています。アニメでは父の言葉は全くありません。なぜ清太が一向に外に出ようとしなかったのかは、想像するしかないです。それから、清太は中学生です。まだまだ未熟な人間です。妹想いなのはアニメ版と変わりませんが、多少自己中心的な実写版の清太の方が現実味があるとも言えます。アニメと実写は別物なのです。
何よりアニメと違うのは、松嶋さんが演じる親戚の叔母さんの心情描写です。
実写版での叔母さんの心の変化、そこに戦争のもつ恐ろしさの一つが垣間見えます。
戦争は人の醜い部分を引き出してしまうのだと。
そこにアニメでは薄かったメッセージ性というものが生まれます。メッセージ性がないのがアニメ版の魅力で、あるのが実写版の魅力だと思います。
アニメと実写では制作者の意図が全く違うのだと思います。しかし、それを踏まえたうえで別物として見れば、それぞれに違った良さが感じられます。私はどちらも本当に素晴らしい作品だと思います。
火垂るの墓 完全保存版 [DVD]
私の少年時代、最初に映画を見たときは、涙が止めどなく流れて最後までとてもまともに見られませんでした。兄妹の境遇の悲しさと戦争の不条理に対する怒り。私は清太に感情移入しつつ、切なさにうちひしがれたものです。
それから20年、結婚し子供が生まれ、節子を思い浮かべると胸が締めつけられます。特に末娘は、髪型のせいでしょうか、表情が節子にそっくり。今は幼い我が子の庇護者として、責任の重さと平和への切なる願いを胸に抱きつつ、仕事と育児に打ち込んでいます。子供たちにもこのDVDをいつか必ず見せたい。
さすがジブリの高畑勲監督は情感たっぷりに、ダイレクトに戦争の悲惨を訴えています。野坂昭如の原作はもっと突き放した感じで鋭く反戦を唱えており、フランスの「禁じられた遊び」を彷彿させます。
映画のポスターで、B29の下で破れた傘を持った節子をおんぶする清太。黄泉の国から現代の私たちを見つめているようなその目が頭から離れないのです。