ジョン・レノン・トリビュート~カム・トゥゲザー [DVD]
2001年に行われたジョン・レノンのトリビュート・コンサートのテレビ映像です。
10月2日に行われたのですが、その直前「9.11」が発生し、犠牲者への追悼チャリティ・コンサートとなったようです。
ポール・マッカートニーが提唱した「ザ・コンサート・フォー・ニューヨーク・シティ [DVD]」が10月20日ですから、その少し前に行われています。
「9.11」というテロに対して、ジョンの歌でもう一度「愛と平和」を訴えかけようとしています。
確かに、ジョンは誰も気づかない頃からずっと「LOVE&PEACE」を語り続けています。
今でもリンゴは挨拶するように右手にVサインで「ピース」と微笑んでいる様子を見ます。
1960年代に世界中にこのスタイルは広がっていきました。
ジョンは、ビートルズの終わり頃から、抑え切れない魂を刻むようなメッセージや思想を、詩人が詩に詠むように、ロックンロールで世界に発信しました。
「平和を我等に」「ハッピー・クリスマス」「イマジン」「パワートゥザピープル」「インスタント・カーマ」「マインド・ゲームス」などは、単なる音楽ではなく、ジョン&ヨーコのメッセージです。
「愛と平和」「一人ひとりが願えば平和になる」「国境のないことを想像しよう」
政治や軍事に対して、歌で人々の心に平和の灯を燈そうとした主張は、滑稽で道化のように見えることもしばしばでしたし、世の中に影響を与えているのかどうかも手ごたえすら危ぶまれるものでした。
このコンサートを見ていて、ジョンはやはり思想家であったのだと思いました。
数十年も前の彼の主張がようやく理解できる、時代がジョンに追いついたと感じました。
常に戦争を繰り返す人類に対して、決定的なメッセージを発しているのに、夢想家としてしか見向きもしなかった世の中が彼の主張を聞き入れようとしているように思われました。
ジョンの作品がアレンジされて披露されていきます。なかなか味のある作品が多く、中でもシンディ・ローパーの「ストロベリー・フィールズ」は良かったですね。曲を紹介するのは、映画のビッグスターです。MCのケビン・スペイシーは、最後に自ら「マインドゲームス」を熱唱します。
見終わって、ジョンの曲の歌詞をもう一度読み直したくなりました。
《ROCK STANDARD》トリビュート・トゥ・ブライアン・ウィルソン [DVD]
ブライアン・ウィルソンの楽曲を様々なアーティストがカヴァーするイベント映像作品には過去に「オールスター・トリヴュート・トゥ・ブライアン・ウィルソン」があるが、そちらはブライアンのブレインであるデイヴィッド・リーフがきめ細かく演出しており、参加アーティストの豪華さは勿論、ファンが望むような選曲と演奏解釈に、参加者が完璧に応えるという、「凝縮的」「感動的」な色合いが強かった。
したがって、同種のイベント映像である本作はそれには及ばないだろうと高を括っていたが、非常に面白かったのでビックリした。
ブライアンのために企画された前イベントとは違い、毎年こういうイベントがあって今年の対象がブライアンだった、という違いが顕著に出ていて、観客はディナーテーブルで歓談しながらで、演奏はその余興というくらいカジュアルなもの。参加アーティストも明らかにブライアン崇拝度に濃淡がクッキリ。このままだと、求心力もない散漫なものになるそうだが、そうでもない。
かなり参加アーティストの嗜好による大胆な解釈が、むしろ新鮮な刺激を楽曲にあたえ、ブライアンの音楽性が様々な方向に拡散する素晴らしい瞬間を随所に味わう事が出来る。白眉は「Surf's Up」のリードヴォーカルの部分を強烈なタッチのリードギターで置換してしまったジェフ・ベックの名演だろうが、EW&Fやダーレーン・ラヴなどのブラック系アーティストとカリフォルニア・ポップスの邂逅、レッチリやリッチー・サンボラらによるハードロック
的解釈など、見所は満点。
最後に満を持して登場のブライアン本人、そしてバックバンドも今まで以上に溌剌としていて、緻密さばかりが評価される彼らが、むじろワイルドに奔放な明るさを振りまく様も珍しい。
ブライアン・ウィルソンのファンは勿論速攻で買い、だが、もっと多くの音楽好きに聴いてもらいたい、そんな思いに駆られる素晴らしい作品だ。
ザック・エフロンinダービースタリオン [DVD]
まずザック・エフロンファンには見ておきたい作品かと思います。ハイスクールミュージカルやヘアスプレーでのミュージカル映画の色が強いザックも、ここではごくごく素朴な15歳の少年を演じ、その中でも爽やかさは健在です。
彼が唯一心通わす、かつては優秀だった障害競馬の旗手だった農場を営む黒人ヒューストンとの出会いにより、ダービーカップへの出場を決意し、夢や希望に満ち溢れ大人へと成長していく彼の姿、それを支援していく友人や家族愛も描かれ、ほのぼのとまた切ないストーリーでもあります。
誰にでもそんな年の頃、こんな雰囲気はあったんじゃないかな‥と、どことなく懐かしさもある作品でした。
Ultimate Collection
覚悟はしていたものの彼の訃報を聞いたときはまたひとつの時代の扉が閉じてしまったんだな、というなんともいえない気持ちでした。シーンをリードしていくタイプのミュージシャンではないと思う彼ですが、この20曲の何十倍、何百倍もの才能を数え切れない仲間のためにおしげもなく捧げてきた彼をまだまだ評価されていないことが残念です。願わくば5人目のビートルズとしてだけでなくキーボーディスト、ボーカリストとして永く多くのファンをこれからも獲得してもらいたいです。