ブタとおっちゃん
毎日放送の西アナウンサーがラジオで紹介してくださった経緯で買いました。
素晴らしい写真集です。
いろいろな養豚場を回ったのでなく、ひとつのこだわりを持った方を10年にわたり追っかけています。
惜しむらくは、あとがきにあるように、この養豚場は今はやってないということ。
ある意味の「敗北」を感じます。
ラジオでは、口蹄疫対策と絡めていました。
ペットでなく、やがて殺していく存在をこれだけ愛し、
部屋中豚のアイコンだらけであるのをみて
「これが供養だ、飾られている人形は仏像である」という指摘に
膝を打って共感しました。
ピアノ
郁子ちゃんソロアルバム第一弾。
『たのしそう かなしそう』から始まる癒しの時間。
私はもともと『たのしそう かなしそう』が大好きで、シングルだけでもいいかな〜と思ってたけどアルバムごと買って良かったです。
一曲一曲のピアノに合わせて唄う郁子ちゃんの唄声が堪らなく可愛くて、これぞまさに癒しだな、なんて。
ソロ三部作の二枚目はまだ聴いていませんが、私はこの『ピアノ』がいちばん好きです。
全曲いいです。
ぶらんこ乗り (新潮文庫)
前半部はそれこそぶらんこのように宙ぶらりんな感じがして、
どこにどう向かっているのか、わかりませんでした。
しかし、後半部(現実とはちょっと離れたところにいた姉弟が、
直面したくない現実と直面したところ)からは
ぶらんこが加速するように物語に引きこまれ、
無邪気に心をつかまれてる感じがしました。
すっごくすっごく優しいからこそ、ぎゅーと心が痛かった。
心が洗われる、そんな物語でした。
トリツカレ男 (新潮文庫)
物語の序盤は、なにかに本気でとりつかれちゃう(夢中になってしまう)男、ジュゼッペの突飛な行動を描いていって……ホップ!
そんなある日、トリツカレ男のジュゼッペが、孤独を抱えた少女と出会って……ステップ!
そして……ジャンプ!
とまあ、詳しく語ることは控えますが、一気に読めて、心がほかほかしてくる素敵な物語です。読み始めて最初のうちは、妙な人物が出てくるおかしな話だなあぐらいにしか思わなかったのですが、上記の「そして……」と話がジャンプする辺りから、がしっと話に掴まれて引き込まれていきました。
トリツカレ男の行動を見守っていくうちに、「ジュゼッペーっ、負けるなー。あきらめんなよー」と応援したい気持ちが、ずんずん、ずんずん、湧いてきました。彼のどうしようもない一途なところが、まっすぐに突っ走るところが、とても愛しく思えて、読んでて目頭が熱くなりました。