モア・トラヴェルズ [DVD]
本作品は91年にボストンの“サイクロラマホール”で観客を入れ
ないスタジオ・ライブという設定で構成されている。よって、純粋
なライブ映像とは異なる。
今でこそ多くのライブ映像が観られる時代だが、この映像が発売さ
れた93年の本作がPMGの初ライブ映像となった。この作品はビ
デオテープでの発売であるが、サウンドは48チャンネル・デジタ
ル録音。当時では驚異的なクオリティで録音されている。
メンバーは89年「Letter From Home」を構成する黄金の布陣。
「Have You Heard」「Are You Going With Me?」「Third Wind」などの
パットの超絶ソロと、まばたきを忘れるほどのフィンガリングは驚
異の映像だ。
曲ごとにギターを変えているパットや、そのパットの手元を入念に
捉えたカメラワークが嬉しい。
詩的で幻想的な映像も過剰にならず、PMGの音楽を際立たせる最
高の効果を上げている。
ライブの醍醐味をさらに味わいたいファンには名盤CD
「The Road to You: Recorded Live in Europe」(93)を推奨します。
スピーキング・オブ・ナウ ライヴ・イン・ジャパン [DVD]
楽曲としては We live here, imaginary day、などの実験が終わり、近年原点回帰しているように見えます。実際のライブでも前2作の楽曲はあまり含まれておらず、むしろ first circle や minuano など80年代の曲も多く演奏されました。
ただしこのDVDでは、新アルバムの楽曲がメインにセレクトされています。
Paul Wertico 脱退後、CD の方の speaking of now では大きくサウンドが変化したように感じていました。
良くなったのか悪くなったのか、このライブを見るまで感じることができなかったのですが、オープニングの「Go get it」での Antonio Sanchez のスティックさばき!背筋がゾクゾクする高揚感を感じました。必見です。ライブでこの演奏が始まったとき、周りの観客から「すげぇ・・・」という声が多数聞こえてきたのを思い出します。
Pat Metheny Group の DVD の中では、最もライブ感があり、余計な演出もなくとにかく楽しめます。
ただし、残念ながら Metheny, Boba, Sanchez の3ピースで演奏したブルースを収録してくれなかったので星4つ。ライブでは一番盛り上がった場面だったんですが・・・。
オフランプ
グラミー賞を受賞したメセニーの傑作アルバムです。
特に、当時の(現在でも?)ライブで必ずといっていい程演奏された「ARE YOU GOING WITH ME?(ついておいで)」が収録されており、針を落とした(古い?)1曲目の「BARCAROLE(舟歌)」で心臓の鼓動のような音とともに始まるサウンドと共にうなるメセニーのギターシンセから「ARE YOU GOING WITH ME?」につながって最高の盛り上がりを見せる冒頭2曲を聞くだけでメセニーワールドに引き込まれ、ゾクゾクと感動につつまれてしまいます。
若かりし頃のメセニーがライル・メイズとともに「俺はこのギターでメジャーになっていくんだ!」という気合いが感じられ、それがそのままアルバムの完成度にもつながっているように感じられる、メセニーを聞くには絶対に避けて通れない必聴アルバムです。
Letter From Home
PMGの作品としては一番有名な作品の一つで、ファンならば必ず(?)持っているはずの作品でしょう。僕も100万回聴きました。でも1,000,001回目に聴いてもやっぱりびっくりする一曲目の"HAVE YOU HEARD"の完璧なギターソロと、曲自体の見事な構成美。素晴らしいとしか言いようがない曲。ジャケットも見事にパットメセニーしていて、例のパット=宇宙人説まで飛び出した謎の象形文字(?)をあしらって印象的な写真の数々をコラージュしたデザイン。音楽と合ってるんですよね。ペドロアズナール!彼は、現時点まででPMGに参加したボーカルとしては突き抜けて素晴らしいと感じてます。まさしく黄金の声。曲に関して言えば、これを好きだと言っている人はあまり聞かない"Spring Ain't Here"。演奏はゆるいんですが、艶があって好きなんですよね。また、この作品で僕にとっての一等賞は、"SLIP AWAY"! なんちゅうかっこいい曲なんでありましょうか。ちなみにこれはプロモのビデオもあって、パットがこっちを向いてキザ~な感じで微笑み、彼の謎の象形文字も飛び交うすんばらしい映像作品だったので、そっちも是非見てない人はチェックしてくらはい。