No Chocolate Cake
前作の復活から4年、嬉しい新作が届いた。
今回はセルフプロデュース、ジャケットデザインもタイトルもユーモアたっぷりだし、内容も充実した前向きなポップ・ロックが詰まっていて楽しい。
繊細で透明感のあるRobinの歌声と、舞い上がるような美しい楽曲、シンプルなギターロック、アメリカンポップ・サウンドが素敵なアルバム。
今までと変わらないGin Blossomsの魅力が詰まった復活第二弾と言えるだろう。
が、今までのような前向きな歌の裏にある繊細さや影が少なく、全体的にやや濃淡が薄くなった印象を受ける。
でもそこは、少しずつでも前に進んでくれているという証かもしれない。
疾走感、ポップ感、ストレート感十分、良質なアメリカンポップ・ロック作品だ。
お奨め!
Live in Concert
ライブ音源のベスト版だが、多少衰えを感じさせる。特に昔の曲(ヘイジェラシーなど)を歌う時も若干声がうわずってしうなどのミスが見られる(歌い方を忘れたか?)。その危うさ、こちらがハラハラする感じもこのCDの聞きどころと言えよう。しかし、最新作の曲は歌い込んだのか、ミスも無く、本来の歌唱力を発揮している。もう一つ注目してもらいたいのがCDのジャケットである。遠目から見るとかっこいいのだが、あえて近くで見てもらいたい。やはり衰は隠せない。ボーカルのロビンの薄ら笑いと、薄くなった髪が目につくと思う。隠そうと思えば隠せたはずである。これは彼が決して自分を偽らず、常に自然体で他人に緊張を与えないというポリシーになぞらえたものなのだろう。ジャケットの写真を撮った時の彼の「いや、取り直さなくていい。これが俺だ」という声が聞こえてきそうだ。