エロ事師たち (新潮文庫)
野坂昭如氏のこの記念すべき処女作。色事を色欲豊かな老若男女に売り歩く男たち、彼らはその仕事に矜持と情熱をささぐ。しかし、男達はしだいに悲しみや不能、裏切りが襲う。人間の悲しみ、愚かさを野坂氏が文学の革命といってもいいほどの型破りで破天荒でユーモラスな天賦に恵まれた才能を爆発させた大傑作です。
武道館の野坂昭如
「鬱と躁」冒頭ほどの独壇ぶりではないが、こちらも傑作。
名曲「マリリン・モンロー・ノー・リターン」は未収録ながら、
桜井順の鬼才ぶりが味わえる佳曲を朗々と唄う野坂を存分に楽しめる。
特筆すべきは永六輔と小沢昭一が乱入する後半で、
余りの放埓ぶりに収拾がつかなくなる様はまるで
マディ/ウルフ/ボの「スーパー・スーパー・ブルース・バンド」の如し。
ただただ呆れます。
M-11はニューオリンズ調でファッツ・ドミノみたいだ。
珍盤・名盤コレクション 河内のオッサンの唄
なんと言っても「わかばちどり」の『だめ』が入っていること。これだけで貴重品。あと、小沢昭一の『俺達おじさん達』、上手いし、美声だ。歌詞が短いからと、2度繰り返しは余計なサービスだが。野坂昭如の伝説的歌唱『黒の舟歌』、本人も照れてるだろうが聞いているほうも冷や汗もの。それに『有難や節』と『河内の・・』で十分お代のもとが取れる。それに反して、平野レミの『カモネギ音頭』は実に野蛮だ。吉岡オサムの作詞もひどいが、そもそも平野レミの声が野卑だ。60年代の風俗業をバカにしている。こんなもの入れるくらいなら『トルコ行進曲』を復活させれば良かった。
徳洲会はいかにして日本最大の医療法人となったのか
現在の徳田虎雄氏と徳洲会を伝える数少ない本。
今までの類書は自画自賛本かヨイショ本は暴露本であった。
本書はそのうちヨイショ本に属するが、なるべく客観的に書こうという意思が窺える。
既存のヨイショ本は徳田氏より格下の外部の人が書いていた。
著者は乞われて徳洲会に入った同格の人で視点が新鮮。
何より徳田氏の肉声が聞こえるような文章が綴られているのが好ましい。
現在入院中の徳田氏の動向を伝える唯一の本。
必ずしも公平に書かれているとは言いがたいが、現在の徳洲会を知りたい人には必読本。
題名がダサいのが玉に瑕。
桜の樹の下で [DVD]
他の渡辺淳一作品がそうであるように、ストーリーは、正直どうでもよい。
津川雅彦氏が、新人の七瀬なつみを剥いて、存分に堪能しているシーン。
同じく津川氏が母親役の岩下志麻に襲いかかり、足袋を脱がせ、足の指を口に含むシーン。
どちらも津川氏の熱演に脱帽だが、個人的な趣向では、岩下志麻との交歓がよいです。
会社の経営も大変だと思いますが、津川氏には、また、この当時のような元気な男を演じてもらいたいものである。