メイン・テーマ [DVD]
私的にはこの映画は音楽が映像にとてもいい感じに合っていると思います。大人の女性と大人になる前の女性、彼女たちと微妙な恋愛関係の若い男と中年男性・・・きれいな海と桃井かおりの歌うジャズ・・・たしかに変だな、と感じる部分もありましたが、それも含めて、私にとっては音楽と映像が印象に残る映画です。挿入歌の確か「スローバラード」という薬師丸ひろ子が歌う歌を手に入れたくて探しているのですが、なかなかみつけられません。
回想するジョン・レノン 新版
本書は、米国のロック雑誌「ローリング・スト-ン」の編集長ヤーン・ウェナーによる、ジョン・レノンのビートルズ解散直後(1970年)の歴史的インタビューである。“John Lennon/Plastic Ono Band”(邦題「ジョンの魂」)(私は彼の最高傑作だと思う)発表の年に行われた。ウェナーによるインタビューは、現代の情報からみれば物足りない部分がないとは言えないが、1970年との時代を考えれば相当ハイレベルである。
ビートルズないしジョン・レノンについて書いた本は無数にあり、私は和書・洋書合わせて数十冊の本を読んだ。その中で、必読とまで言える本は実はそう多くないが、本書は最高のもの。
最も重要だと私が思ったのは、(ロック・アーティストとだけでなく、)シェークスピアのようなあらゆる分野の最高の芸術家と、ロックという手段を用いて競争しているのだ、とのレノンの強い意志と芸術感が述べられている点。
他に、レノンの幼少期、リバプールという出身地の特性、ビートルズ、自分のベストソング、好きなアーティスト(音楽、美術、映画など広い意味で)、ポール・マッカートニーへの思い、ヨーコとの出会いや関係などが述べられている。
片岡氏の丁寧な言葉遣いの翻訳は心地よい。
スローなブギにしてくれ [DVD]
少年時代、この映画を観て
片岡義男氏と南佳孝氏の絶妙な都会的雰囲気を感じて、
小説と音楽を聴きあさったものだ。
男女関係の複雑さを考えさせられ、
私自身の女性観が変わった映画でした。
なぜか?新宿の朝5時頃の雰囲気が私を包む映画です。
彼のオートバイ、彼女の島 [DVD]
内容は別として映画の中ではもっともまともにバイクを描いたものだと思います。
大林監督の映像が好きなせいもあるかもしれませんが、イントロ部分で主人公が信州にバイクで向かうシーンとか瀬戸内海の島へ渡るフェリー上でのバイクのシーンなど印象的です。
俳優さんには申し訳ないけど、この映画はバイクこそ主人公だと思います。
旅に出たいけど旅に出られないバイク乗りにお勧めします。
ひと粒の宇宙 (角川文庫)
4000字という制限のなかで作者独自の小説による「宇宙」を作り上げるのはベテランクラスの作家であってもなかなか難しいようだ。もちろん、語り口の好き嫌いも読後感を大きく左右するのだが、「短編小説の名手」として定評のある小説家でも「幻想」や「夢オチ」「SF」「童話」に逃げていたり、いかにも断り切れずの「ヤッツケ仕事」と想像される作品もあるし、逆に失礼ながらあまりよく知らない作家でも巧くまとめきった作品もありまさに30人30様。いっそのことこの字数制限で一般公募してみたらどうだろうか?