上達の法則―効率のよい努力を科学する (PHP新書)
上達には、それなりの理由があり、その根底には「記憶」が関係すると著者は述べている。この記憶には2種類の知識の処理の方法にコツがあり、上級者はこの2種類の知識についての処理が非常に上手いとかかれている。詳細は読んでいただくとわかるが、記憶のメカニズム、最新の心理学の成果も踏まえ役に立った。
また記憶のみならず、上達の上級者は中級者と違い、その事柄にあたったときに、長時間続けても「退屈しにくい」「疲労しにくい」ということ、何か鑑賞する時も「ツボをはずさない」、人を評価するときも「評価は安定している」などが挙げられ、中級者と比較してなぜ違うのかわかりやすく書かれ、自分を見つめなおすヒントにもなる。
上級者になるステップについては、「ノートを取る」「未熟だからこそ理論が必要」「精密な練習を繰り返す」「感情移入」の部分が非常に参考になる。今後の自分の学びについて、上級者になるための効率的な努力について、いいヒントが満載されている。
スランプに陥ったときも、スランプに陥るれとはどんなことか示し「肉体的」「精神的」な場合の対処と、上達するためのステップとしてのスランプである(→チャンク容量の増大のため)と書かれており、私には新しい解釈だった。
最後に上達者になる特訓法が10項目書かれているおり、これをヒントに、上級者への戦術を練るにはいいヒントになるだろう。
バカはなおせる—脳を鍛える習慣、悪くする習慣
実践的に役立つ内容満載のこの本ですが、
人と声を出して会話をしないと、口べたになるだけでなく、
他人の話を理解する能力も衰える、そういう脳になってしまう、
という話などが役立ちました。
今後は面接などを受ける前の1ヶ月間ぐらいは、
家族や友達とよく会話をしてから臨もうと思います。
また、一人暮らしの人より二人暮らしのほうが、さらには三人以上
で暮らすほうが脳にいいのですね、やはり。
大人数で住むほうが、脳の衰えが遅くなり、ぼけにくく、脳梗塞にも
なりにくい脳になるというのは発見でした。
このほかにも新発見が多く、とてもお買い得な本でした。
シャドーイングと音読の科学
専門書でこれだけわかりやすさに心をくだいた本は他に見たことがありません。
ただ、やはり専門書であって、言語学や外国語教授法の知識がない人は煙にまかれてしまうかもしれません。
シャドーイング・音読とリスニング・リーディングに関する実験が豊富に掲載されていますが、もっとも知りたかったスピーキングについて触れられていなかったのが残念。
それがあったら星五つだったんですが。