明日に架ける橋(40周年記念盤)(初回生産限定盤)(DVD付)
●付属DVD ★5
S&Gの曲を背景に、当時のアメリカ社会(泥沼のベトナム戦争や相変わらずの人種差別など)を描き出したTV番組「Song of America」と、明日に架ける橋制作秘話を現在のポール・アーティ+R・ハリーを中心に解き明かす、秀逸なドキュメンタリーの「Harmony Game」の2本立て120分と充実した内容、ほんと素晴らしい!
「Song of America」は、当時スポンサーが途中で降りるなど、政治的にも社会的にも物議を醸し、その後お蔵入り同然だったもの。今見ると、なぜそんな反応が?という感じもするが、それが当時の風潮だったんだろうことも含めて時代を鮮やかにすくいとった内容だね。バックに流れる彼らの曲には日本語対訳が字幕でかぶさり、これは日本側スタッフの素晴らしい仕事ぶりで、高額な日本版を買った甲斐があるというもの。
ドキュメンタリーの方もそれぞれの曲解説や、前述の「Song of America」でのトラブルなんかも赤裸々に語られこちらも興味深い。R・ハリーの果たす役割が思っていた以上に大きいこともうかがえるし、何よりもポールもアーティも本当に楽しそうに当時を偲ぶんだよね。ではなぜ当時はかくも険悪な状況になっていたのかという核心には触れずじまい。これは良き思い出だけに浸りたいノスタルジーなのか、裏側は決して見せないというプロ意識なのかはわからんが、このタイミングを持ってしても語られない以上、墓場まで持って行くつもりなんだろうな。ファンとしては怖いもの見たさという所もあったんだが、これはこれでよかったのかもしれないね。欲を言えば、ライブ映像が断片的なものばかりなんで、ライブだけでまとめて別に全編収録して欲しかったなぁ。
しかし、40周年記念で全世界に発信されるドキュメンタリー内で、アーティったらなぜに“阪神タイガース”の帽子を(笑)。しかも真新しいし…
●装丁について ★2
とにかく2枚のCDが、既に発表されている仕様とまったく同じ(本編は“01年リマスター”)というのは手抜きであり腹立たしくさえ思う。まぁ未発表曲を入れる・入れないについてはそれぞれの考え方だから仕方がないが、最低限リマスターするなりして、現時点での最高の音質で届けようという姿勢は見せて欲しい。特にソニーには“Blue-Spec”という最新仕様があるんだから。“Live1969”に至っては、事前アナウンスのあった未発表曲が見送られ、まったく存在価値がなくなってしまった(いや、アルバム自体は素晴らしいんですよ。ここに入れる意味がないってことです!)
日本版解説も英文対訳に鈴木道子女史や紫門ふみさんの解説など盛りだくさんではある。ただ“文字”ばっかで芸がないんだよなぁ…。賛否あるかもしれないけど、例えばジミヘン諸作品の日本版は、英文ライナーをカラーブックレット直接日本語訳を印字するなど、輸入版との差別化を図ろうという努力の後だけは見えるんだけど、そういうのが無いのが寂しいんだよねぇ。
それにしても、発売当時のライナーは中村とうよう氏だったんですね。後年ポールの“Graceland”を「サイモンらしいずるいアルバム」と言い放った御仁が「コンドルは飛んでいく」を褒めちぎっているのは笑止千万。これを採録したのはスタッフのいやがらせか(笑)
結論:DVDだけで十二分におつりがくる内容です。Live1969の無い「通常盤」も同時発売なので、DVDだけが目当てならこちらもお勧めです(ただしデジパックではなく、2枚組用の分厚いCDケースなんで収納に邪魔です)
25th Anniversary Rock & Roll Hall of Fame Concert [DVD] [Import]
震災直前にアマゾンで購入し、届いたのが3月末でしたが、リージョンの関係で最初見られませんでした。が、計画停電対策で輸入物の安いポータブルDVDプレーヤーを買ったらこれが使えて、震災のNEWSで被災地を案じ祈りの合間にこの5時間を越える音楽映像を堪能しました。CS&Nも確かに爺さんになりましたが、ハーモニーと音楽作りは最高です。ジョージのためにハモったHere Comes〜には泣けましたし、S&Gの(Gのヘアスタイルが変わらないのに驚き)明日にかける橋はそのまま「AC広告」で日本のTVに流してもOKです。個人的にはジェフベックとU2なのですが、メタリカもS・ワンダーもブルースもみんな円熟しつつも輝いたステージを見事に披露してくれました。ロックは20世紀の文化的財産となり、21世紀につながっているのが分かります。私も4月末には51才になるロックオヤジです。
サイモン&ガーファンクルのすべて
サイモン&ガーファンクルは良くも悪くも、このアルバムが1枚あれば充分だと思います。
毎日聴こうとは思わないんだけど、時折、無性に聴きたくなってしまう。
若い頃には、部屋の中で豆電球だけを点けて、じっくり聴いていたもんでした。
静かに物思いに耽りたい時には持って来いのアルバムです。
セントラルパーク・コンサート [DVD]
いやぁ、懐かしいですねぇ。個人的な思い出で恐縮ですが、日本でもTVのゴールデンタイムで(!)放映され、僕が洋楽を聴くきっかけとなったライブなんですよ。無料とはいえ、セントラルパークに50万人ですよ!
ギター1本でやっていた頃と異なり、S・ガッド、R・ティーといった辣腕ミュージシャンをバックに、原曲のイメージを損なわない範囲で、ポールのソロ活動の成果をも生かした秀越なアレンジの中、変わらぬハーモニーを聴かせてくれる。聴きものは、ポールのソロ時代の名作(9)や(11)のS&Gバージョン!まるでこの日のために書かれたかのようなハマり具合に感慨もひとしお。R・ティーによるゴスペルタッチのピアノに導かれた(15)も、“天使の歌声”こそやや曇ったものの、逆に力強さと艶を増したボーカルを見せつけ、これまた素晴らしいの一言。繊細な未発表曲(13)ではファンが乱入してくるんだけど、最後まで歌い上げるところまで収録されてます(この曲はライブCDではカットされている)。惜しむらくは、アンコールで同じ曲をやったこと。もっと演るべき曲いくらでもあるでしょうに…。
このライブの出来に気を良くして、ワールドツアーに出るんだけど(後楽園球場入ったなぁ…)、ツアー中に再度仲違いしてしまい、発売日までアナウンスされたニューアルバムもお蔵入り(後の“Hearts And Bones”)となってしまったことまで懐かしい。いや、ノスタルジー関係なく、素晴らしいライブでお勧めですよ!
オールド・フレンズ:ライヴ・オン・ステージ [DVD]
いろいろな種類が出ていて、どれを買うか悩むところですが結局アメリカ版のCD+DVDのセットを購入しました。これが一番お得かな。
DVDのみで良い人にはアメリカ版、日本版に日本語字幕が付いていたら購入する価値があると思いますが、ソニーのサイトでも仕様か書いてないので分かりません。購入を決めるポイントなのに肝心の仕様が書いてないのはどういう理由なのか?英語字幕がないので星を一つ減らしました。
演奏内容は他の人が書いてるので・・・。特典のアメリカのテレビスペシャルは当時NHKで放送されて、初めてS&Gの演奏する映像に接したことを思い出します。ただ、音楽番組というより、若者のドキュメンタリーと言った趣でした。70年の日本は、若者の多くが、文明の進歩やアメリカが悪くて、中国やソ連が良いと言っていれば、それでかっこよいと思っていた時代、今考えると笑ってしまいますが・・・。