第七官界彷徨 (河出文庫)
1931年に発表されていたというから多喜二「蟹工船」や横光「機械」とほぼ同じころ。1969年に見出され、現在再び評価が上がっている尾崎翠さんは、長らく「忘れられた作家」だったらしい。しかし本当に「忘れられた作家」は「忘れられた」ことさえ忘れられてしまうのですから、力があることは確実です。
一読後、即座にその力の存在には気付くのですが、どこがすごいのか判明としない奇妙な魅力のある小説です。主人公の少女は人間の「第七官」に響く詩を書きたいと上京して兄たちと同居するのですが、まず「第七官」なるものが分かっていないという奇妙さ。一応、「無意識」や「忘我の境地」や「我をも忘れる恋」や「物質の世界」といった人智を超えた感覚らしくはあるのですが、明確にはならない。しかも二人の兄は患者に恋した精神科医だったり、コケの恋を研究する研究者だったり。。。ぶっとんでます。それでいで文体はいたって普通で読みやすい。
自分が望んでいるものがわからないまま、手探りで、それでもいろんなことが起こる、すばらしい「彷徨」小説。「蟹工船」もある意味奇妙だけど、ここまでではない。傑作。
My Special Thanks
家族みんなで楽しめるアルバムなど、子供の童謡唱歌・・?なんて考えてしまいがちな理由の一つはボーカルほど好き嫌いがはっきりしている、バンドパートはいないからじゃないかと思う。ポップス界ではカレンカーペンター、ジャズ界ではサラヴォーンが、比較的万人に受け入れられるボーカリストだとすると、日本ではひと昔前までは美空ひばり、現代の日本の歌謡界でそのスタイルが万人に受け入れられるのは、ルクプルの藤田恵美さんではないか、と思うのだ。癒しだの癒し系だのと世の中が書きたて、叫びたてるにつれそう思う。ということで個人的意見で、一家に一枚あって良いアルバムです。
Fellows! 2011-APRIL volume16D (ビームコミックス)
毎回、「今は亡き『月刊マイコン』を髣髴とさせる厚さ。
今回は新人特集との事なので、いわゆる「続き物」がなく、何も考えずに話しに入っていけます。
どれもこれも力作揃いなので、読み応え抜群。更に最後には、突っ込み所満載の漫画もありますので2度おいしい。(けど、400m走れません)
この本は、スマートに会計するか、重いんだったらamazonでポチるのをお勧めします。
Fellows! 2011-APRIL volume16A (ビームコミックス)
Fellows! 2011-APRIL volume16B (ビームコミックス)
Fellows! 2011-APRIL volume16C (ビームコミックス)