孤独のグルメ (扶桑社文庫)
原作が「かっこいいスキヤキ」「ダンドリくん」の久住昌之(泉昌之の片割れ)である。細かい観察眼とアルアル感、そしてなんとも言えないトボケ具合がたまらない作家である。一方谷口ジローは基本的にはシリアスな作風である。特に近年は文学的とも言える作品が多い。
この、どう考えてもミスマッチとしか思えないコンビの作品が、「孤独のグルメ」である。全18編、中年男の日常の一人食べ歩き。どれもアルアル、ウンウンの連続である。作画に谷口ジローを選んだ久住昌幸の勝ちである。谷口ジローも楽しみながらこのマンガを描いたのかもしれない。
どうせなら、久住によるあとがき(これもまた面白い)もマンガにならなかったのだろうか。文章と絵の両方で楽しめるのに…。
異色コンビによる異色作にして傑作である。
やっぱり猫が好き 新作 '98 レイ子はん、きつきつカンニンえ / ワインを飲んでシル・ヴ・プレ (初回限定BOX付き) [DVD]
OPの「DAVID」も、EDの「サントワマミー」も、桜沢エリカさんのタイトル画も、スタッフさんの笑い声も、この作品にピッタリ合っていて素敵です。貧乏という設定の割に、部屋のインテリアを結構変えていたりして(服装が変わる頻度はもっと多い)、観る側を厭きさせないところも、普通の生活のなかで、ここまで面白い事件を作ることができるのも凄いです。「オ・マ・ケ」でも3姉妹の仲の良さを、随所に感じさせてくれます。
食の軍師 (ニチブンコミックス)
この連載作品はなんと言うか、通にことごとく(勝手に)負かされるエピソードばかりなんだけどその成りきれなさが面白い!これまでの作品でなかなか姿を表さなかった、氏の考える理想像が描かれているのかな。
かっこいいスキヤキ (扶桑社文庫)
「かっこいいスキヤキ」が簡単に、しかも文庫で手に入るとは、
いい時代になったものだと、しみじみ思います。
しかも、文庫化にあたり、分量も増え、対談も収録されているとは。
心憎いまでに完成された本と言わざるを得ません。
これを機会に、ぜひ泉昌之全集を出してほしいところです。
弁当を食べるたびに、すき焼きを食べるたびに、福島なまりを聞くたびに、
便意をもよおすたびに、この本の事を思い出すでしょう。