砂の器 DVD-BOX
近年類を見ない絶品のテレビドラマ。よく映画と比較されますが、これは犯人視点で描かれており時代設定も違いますので、映画とは全く異なった作品と考えた方が良いでしょう。ただその根底を流れるテーマの重厚感には共通のものがあります。
テレビの域を超えた映像美や音楽、細部への拘りからはこのドラマに関わるあらゆるスタッフの並々ならぬ意気込みが感じられます。
あまりにも切ないドラマ。単なるサスペンスではないヒューマンドラマです。視聴者は本来なら憎むべき犯人に同情し、感情移入させられてしまうからです。
主演中居正広の息を飲むような美しさが、回を追うごとに哀しみを増強させます。「白い影」でシリアスな役者としてブレイクした中居氏ですが、今回さらにその「表情による演技」が光ります。普段のイメージとのギャップが快感にさえ思えるほど。
その他のキャストも個性派揃いですが、当然のことながら刑事役、渡辺謙の渋さ、迫力が物語に深みを与えています。前半接触することのなかったこの二人が初めてツーショットで画面に現れる場面は衝撃的なシーンです。
見る側の資質を問われるような格調高い作品。ぜひ大画面で見たいものです。
ブラック&ホワイト 【ノーカット完全版】 DVD-SET 2
この作品は文句なしに面白いです。 他の方がおっしゃるように、ツッコミポイントはたくさんありますが、ハマります。 先が気になって、睡眠不足の可能性アリです。 謎解きの要素もあるし、話が進めば進むほど、誰が敵か味方か分からなくなってきます。 そして最後に大きなビックリポイントがあります。 日本のSP、韓国のアイリスが好きな方には特にオススメです。
がきデカ 1 (少年チャンピオン・コミックス)
山上たつひこ氏が最も脂の乗っていた時期だったのではなかろうか。
落語をこよなく愛する氏は一見、支離滅裂でありながらもシニカルで一捻りある笑いを提供してくれていたように思う。
これをくだらないとしか思えない人は山上イズムの理解が足りないだけだろう。
過度のボケキャラとツッコミキャラというギャグ漫画の形態として一つのパターンを築き上げたのもこの漫画だと思う。
後のうる星やつらも完全にこのパターンであり高橋留美子自身、がきデカは影響を受けた作品の一つとして称賛している。
錯乱坊はこまわり君をモチーフにした事も有名だ。
大人が失笑するようなエロギャグを、様々な動物達や見た目オッサンにしか見えない小学生達が演じるがきデカワールド。
漢字もロクに読めない小学校低学年当時、これを見て笑っていたかと思うと大人になった今、空恐ろしくなった位である。
しかし、現在復刻されているものは表現規制により割愛されていたり、編集されているので理解が必要。
なぜ君は絶望と闘えたのか
ものすごく重い本です。重いといっても重量ではなく内容に深みがあり、重圧感があるということです。
有名な事件に関する書籍ですので概要はみなさんご存じだと思います。本書ではドキュメンタリーというより小説風に進展していくため非常に感情移入しやすく考えさせられました。ルポなどにありがちな淡々とした展開ではなく会話が非常に多い構成であるためとても生き生きとした内容に仕上がっています。
本村さんの怒り、やるせなさ、無力感などが自分のこととして感じられる非常にすばらしい書籍であると感じました。法律に無関心な方も少年法について考えさせられるでしょうし、普段自分が不幸であると感じている方も現在の幸せを感じられるようになるかもしれません。人により感じ方はそれぞれだと思いますが読者に何らかのインパクトを与えることができる力のある書籍です。間違いなくお勧めの1冊です。
君は一流の刑事になれ
警察小説が好きで、手を伸ばしたらアタリでした。
生の刑事が悩む様子や刻一刻と変化する捜査の緊張感が伝わってきます。
「被害者の守護神」という言葉が随所に出て来ますが、懸命に被害者を思って捜査する様子は文章全体から伝わって来ます。そのため、捜査中に被害者の幽霊を見たという話も思わず納得してしまいました。
元々は、後輩刑事向けに書かれたそうですが、刑事ドラマ、警察小説ファンの方も楽しめると思います!
暴露本ではないですよ。念のため。