ライブ帝国 ヨコハマ・ブルース・ストーリー [DVD]
今から20年以上前のまだビデオがなかった頃のクリエイションの映像がDVDで見れるとは思いもよりませんでした。当時Fighting80'sは和歌山放送で放映されていましたが、このDVDに収録されている回の放送は記憶にありませんので、見逃していたのでしょう。ロンリー・ハートはTV主題歌で有名ですが、それよりは初期の名曲TokyoSallyと私が一番好きなNew York Woman Serenadeにおける竹田和夫のストラトにハムバッカーを搭載した太くマイルドな音色のギターと黒っぽいボーカルが絶品です。さらにボーナストラックは73年のものということですが、昔のファッションとレスポールが超かっこいいです。エディ藩も悪くは無いですが、できればクリエイションの曲(特に初期のもの)をもっと見たかったというのが正直な感想です。ぜひ、第二弾を出して欲しいものです。
ザ・ゴールデン・カップス ワンモアタイム パーフェクト・エディション [DVD]
カップス再始動までの足跡を追って行くパートも面白いけど(みんなほんまによーう酒飲んではる、特に平尾さんが)、個人的にはやっぱり尾藤イサオ司会の歌番組でのスタジオライブが最高にカッコよかった。
昔を懐かしむGSファンの方は勿論のこと、現在進行形の若いガレージロックファンの人にも本当に見て欲しい1本です。
ベイサイド・スウィンガー(紙ジャケット仕様)
これはまた大変レアな1枚がCD化されたものだ。これが爆発的に売れる…とはとても思えないが、こういう企画のCD発売には大賛成だ。バークリー音楽院を卒業し凱旋帰国したミッキー吉野はゴールデン・カップスに参加したが、カップスでは彼自身が理想とした音楽をクリエイト出来なかったのではないか。カップスは個性の強い職人の集りだったため、若いミッキーは遠慮していた部分があったものと思う。カップス解散後はミッキー吉野グループを結成し、郡山のワンステップ・フェスティバルに参加。このバンドがゴダイゴへと発展したわけだ。
このアルバムはミッキー吉野グループからゴダイゴへと遷り変わる時期に、かつての朋友エディ藩と共に製作したアルバムである。一応エディ藩がリーダーという位置付けとなっているものの、中身は明らかにミッキー吉野のカラー満載。横浜の香り漂うハイセンスなブルースを基調としつつ、アメリカ西海岸のカラリとした色合いのアレンジが随所に見られる「洗練されちゃったハマのブルース」という感じ。妙に明るいイメージに仕上がってしまったという印象がなくもない。バックを務めるゴダイゴのメンバーは確かな技術を披露しているが、この時期のミッキーは、後に現われてくるエレクトーンを駆使して「これでもか」と言わんばかりに和音で責めてくる色濃いプレイをみせてはいない。ギターの浅野孝巳もこの頃から既に巧みなギタープレイを聴かせてくれているものの、エディ藩とは明らかにタイプは違っており、この2人の組合せは相容れていないような気がする。バンド名が示す通りの典型的な「スーパー・セッション」のパターン。彼らが彷徨っていた頃のほんの一瞬を捉えた貴重な記録としては、持っている価値はある。
ブルー・ジェイド
日本のシティ・ブルース/アーバン・ブルースの名盤が待望のCD再発。
82年のオリジナル盤はもとより、90年の再発CDにも凄いプレミアが付いていた作品だけに、今回の再発で多くの音楽ファンの耳に届く事を望みます。
多くの人が言うように、60〜70年代におけるエディ藩の「激しさ」はここには無い。しかし、横浜の街を舞台に、大人の悲しみや深みが静かに展開される姿は、<カップスのその先>にある彼の等身大の姿を映し出している気がする。楽曲も唄も演奏も素晴らしい。
内容的にも、再発の貴重さにおいても、★5つは当然なのだが、いかんせん再発クレジットが一切無く(発表年の記載すらない!)、リイシュー盤としては減点対象。
音源は宝。レコード会社の真面目な復刻作業を切に願う。