双色渦巻―若さま侍捕物手帖 (1985年) (春陽文庫)
※カバー解説文の転載です。
年のころは三十と四五、美男というほどではないがりんとした風貌で、一見したところは浪人者なのだがなぜか"若さま"と呼ばれる!? と呼ばれてるわりには至って行儀が悪く、居候をきめこんだ大川端の船宿『喜仙(きせん)』の二階座敷の床柱を背に右立膝の左懐手、天下泰平といった顔つきで酒仙よろしく剣菱(けんびし)を楽しんでいる! その大様なところは百万石の大大名とも見うけられるのだが、この若さまには不思議な才能があって、これがまた天才的!
その才能とは捕物にかけての腕前で、的確な判断と妥当な推理、中でも直感力の鋭さでは天下一品! ……で、御用聞きの遠州屋小吉が手に負えない難事件を持ち込んでくる!
……正体不明の若さま侍の名推理が颯爽と江戸の難事件の謎を解く"捕物手帳"全七話!
※収録作品(上下二段組頁です)
けむり騒動/花見番茶/ふたつ姿/藤八拳(とうはちけん)ごろし/双色渦巻/地獄図絵/悪心善心