
宮さまとの思い出
高円宮様の報道は日頃好意の気持ちで見てきたので,47歳での突然の訃報を大変残念な思いで受けとめた。本書に書かれている幾多のエピソードや写真は,皇族としてご自身の哲学と信念で職務を遂行する姿は勿論,家族や周囲の人達への優しさや気配り,さらに広く国民や外国の人達への責任感や思いやりを強く印象づける。亡くなった人への一般的な敬意や皇族の方々への賛辞を差し引いて類推しても,一人の人間としての宮さまの類まれな資質や人格には感嘆せざるをえなかった。私が最も驚いたのは,その音楽的才能と,語学やスポーツに対する熱意と努力の前向きな姿勢である。この宮様こそ,許されるなら,結婚したい最高の男性である,というのが第一の読後感である。