Not Fragile
バックマン・ターナー・オーヴァードライヴ(BTO)は、1970年にランディ・バックマンを中心として結成されたバンドで、初期のメンバーはランディを初めとする3人のバックマン兄弟にC.F.ターナーを加えた4人編成(3作目からティム・バックマンからブレアー・ソーントンへ交代していますが、あまり変化はないようです)。
カナダロック・バンドというとまずザ・バンドですし、またアメリカの70年代前半のロック・バンドといえば エアロスミス、イーグルス、ドゥービー・ブラザーズ、C.C.R.、オールマン・ブラザーズ・バンド、グランド・ファンクなどどこかしら大らかで暖かみを感じますが、このバンドに限って言えば、どちらかというとブリティッシュ・ロックの系譜に属するような硬い音作りをしています。
デビュー作が1973年の"Backman-Turner Overdrive"で、同年末の2作目"Backman-Turner Overdrive II"が全米4位です。このデビュー時の勢いで作られたのが1974年発表の3作目にあたる本作で、全米1位となっています。2曲がシングル・カットされており、"You Ain't Seen Nothing Yet"(邦題:恋のめまい)が全米1位、"Roll On Down The Highway"(邦題:ハイウェイをぶっ飛ばせ!)が全米14位となっています。BTOのアルバムで全米1位になったのはこの作品のみで、文字通りの最高傑作といえそうです。まず一枚、ということでしたら本作品をどうぞ。
BACHMAN-TURNER OVERDRIVE II
あまり知られていないのか、評価が低いのか、もっともっと
重宝されて良いカナダのヘビーウェイトバンドBTOの名盤は、
発売当時のアメリカ全土を震撼させた!
刻みの良いリズムのBlownから始まり、メロディアスな古典的
名曲LetItRideを経て、最後にTakin'CareOfBusinessがガンガンと
最後に攻めてくるまで、珠玉が堪能できる。
力と技が見事に絡まった、傑作。
Collection
全米トラック野朗御用立のカナダ出身のロックバンド、BTOのベスト盤。
彼らは楽器の名手でも、ロック史に名を残すような革新的なバンドでもなかったが、良い意味であのヴァン・ヘイレンにも通じる大衆に訴える、なかなか捨てがたい味のあるバンドだった。個人的には、ZZトップやフォガットと並ぶ大好きなハードブギ・バンド。
全17曲彼らの魅力が時間いっぱい詰まっている。彼らの楽曲は、おおらかで至って単純明快。基本コンセプトは、「恋とクルマと仕事(4曲目に「ブルーワーカー」、10曲目にご存知「四輪駆動」が収録されている)」だ。
カナダ出身のせいなのか、英米のバンドのようなブルーズ回帰指向があまりなく、国籍を問わず生活感シーンに直接訴求してくるところが、売れた要因なのかもしれない。楽曲タイトルもこれ以上かみ砕けないくらい、実に分かりやすい。
私の中では何十年も「豪放磊落なカナダ出身のロックバンド」というイメージが占拠していたが、ジャズ・フュージョン的にジェントルに聴かせる要素もあり、今聴くとなかなか単純に割り切れない、多面的な音楽的要素を持つに実にバラエティに富んだ名バンドであったことがわかる。
「バックマン=ターナー・オーバードライブ」と聞いて、「そういえば昔そんなバンドあったな」、という耳の肥えたロックファンには、是非とも実際に聴いて再評価してもらいたい70年代の名バンド。