マトリックス リローデッド
マトリクスシリーズには、ベースとなる神話があります。
紀元前1~3世紀のキリスト教の異端である「グノーシス派」の神話です。
人間は、悪魔的な存在のつくり上げた虚偽の世界に暮し、現実から遠ざけられているというものです。
マトリクスの第1作を観たときから、共通性に気づいていたのですが、先日「リローテッド」の試写を見ることが出来、その中にでてきたホバークラフトが「グノーシス号」だったので確信に至りました。
ちなみにマイクロソフトのエンカルタに「グノーシス主義」の項目で詳しく紹介されていますので、掘り下げたい人は一読をおすすめします。
マトリックス レボリューションズ 特別版〈2枚組〉 [DVD]
あらためて見ると、もう勧善懲悪の痛快な終わり方をしない事はわかっているため、前より楽しめた。
しかし、やはり1作目のようにテンション上がって終わりたかった。
2作目以降、表現を若干抽象的にした会話が多すぎ。内容的にはたいしたことはいっていないのであまり増やすのは逆に幼稚な印象(アニメみたくなる)になったり、退屈なシーンとなりやすい。もっともそういった表現がそれ自体ストーリーの内容となっているので、やむをえない部分もある。
3部作を通じて、ストーリーはよく考えられている(コンピュータになじみのない人にはわかりづらい内容となっているが)。
とはいえ、1作目で興奮した者としては、多少無理があってもいいから、「人間勝利」の単純な痛快さを最後に味わいたかったというのは否定できない。
思いもつかないような、しかし説得力のある展開で痛快な結末を導いてくれたら最高だったと思う。
以上不満はあるが、シリーズ3部作全体としての価値(当時他に例のない斬新なストーリーとアクションを見せてくれたマトリックス3部作の高い価値)と、2も3も欠かせないという点を考慮して☆5つとした(気持ちは4つ半)。
The Matrix Reloaded
~各アーティストのオムニバスと劇中のBGMを、
こういったカタチでワンセットにして売るというのは
これからのサントラの在り方として参考になると思う。
価格の設定もかなり良心的であるし。
ただ、オムニバス形式の宿命というか、
劇中で少し流れて終わりという使われ方は
たとえMATRIXシリーズでも変わらないのだろう。
それではもったいない。
~~
こうなったらすべての参加アーティストのPVを
ウォシャウスキー兄弟に監督してもらうというのはどうか。
それだけで1本の映画になりそうだ。~