コナン DVDスペシャルBOX
「コナン・ザ・グレート」と「キング・オブ・デストロイヤー」という
共にシュワルツェネッガーの初期の作品が特製パッケージに収められています。
単品で1つずつ購入するのと、内容的には変わりはありませんが
やはり特製のパッケージのためにもこちらを選択しておいた方が
見栄えが良くてお勧めです。
作品としては、第二作にあたる「キング・オブ・デストロイヤー」の方が
判りやすいファンタジー娯楽映画として作られているので、作品の
取っつきやすさという点では第二作目をどうぞ。
コナン・ザ・グレート アルティメット・エディション (初回限定生産) [DVD]
ロバート・E・ハワード原作のコナンシリーズを独自の解釈で映像化したもので、原作ファンには評価が分かれるところでしょうが、私は興味深く楽しみました。
生きていく事そのものが試練だというニーチェの引用から始まるように、主人公コナンの人生の困難と探求を主軸に語られる物語は単なる戦闘アクションの面白さだけではありません。多神教の世界、おのおのの神を信じて生きる人物たちの中、コナンに対する愛だけを信条として生きようとするヒロインが、男たちよりたくましく感動的。
無論、シュワルツェネッガーの美しいほどの筋肉や剣さばきもかっこよく、そういった視点でも楽しいものだと思います。
日本フィル・プレイズ・シンフォニック・フィルム・スペクタキュラー Part3~スター・ウォーズ(SF・ファンタジー篇)~
1980年代以降、映像音楽の録音といえば、ジョン・ウィリアムズの指揮するボストン・ポップス・オーケストラとエリック・カンゼルの指揮するシンシナティ・ポップス・オーケストラによるものが、質的に突出したものとして存在してきた。
しかし、前者に関しては、オリジナル・サウンドトラックの演奏と比較すると、しばしば、演奏に生気を欠くことが多く、また、後者に関しては、近年になり、編曲に劣悪なものが増え、指揮者も精彩を欠くようになり、徐々にこのジャンル自体が魅力を失うようになった。
しかし、今世紀にはいり、日本フィルハーモニー交響楽団によってたてつづけに録音された6枚のCDは、上記の両横綱の録音と比較しても遜色のない、高水準の内容を誇るものである。
沼尻 竜典と竹本 泰蔵という有能な指揮者の的確な演出のもと、20世紀の古典ともいえるハリウッドの代表的な作曲家の傑作の数々が実に見事に奏でられている。
これらの演奏の特徴は、あえていえば、オリジナルの魅力を過剰な演出をくわえることなくありのままに表現していることにあるといえるだろう。
いずれの作品も、世界中に配給される映像作品の付随音楽として作曲されているために、もともと高度の娯楽性と表現性をそなえた作品である。
ここに収録された演奏は、それらの作品が堅実な職人性のうえに自然体に演奏されるだけで、視聴者に無上の歓びをあたえてくれることを明確に示していると思う。
いずれにしても、20世紀後半、正当な評価をあたえられることなく、ハリウッドの片隅において高水準の管弦楽曲を創造しつづけた数々の現代作曲家の労作をこうしてまとめて鑑賞してみると、あらためてそれらが実に良質な作品であることに驚嘆させられる。
そこには、紛れもなく、最高の職人性と大衆性が見事な結合を果たしているのである。
日本フィルハーモニー交響楽団による6枚のCDには、そうした身近なところに存在していた現代芸術のひとつの奇跡が封じ込められている。
コナン・ザ・グレート (Conan The Barbarian)
日本語タイトルが「コナン・ザ・グレート」だからではありませんが、このCDはグレートです。しかもゴージャス。
劇中の曲が全て録音されただけでなくスケールアップしている。
オリジナルCDも本国では追加トラックのある増補版が出ていたが、それを超える追加録音です。
フルオーケストラ、合唱もオリジナルより増員。新録音!!
よって、音質は素晴らしいが、オリジナルと音色が違って聞こえる曲もあります。その辺りは好みが分かれるかも。
昔、「コナン・ザ・グレート」の曲がシンクロだったかフィギアだったかに使われていましたが、それぐらい、本国では評価されている曲です。
「ロボコップ」や「スターシップトルーパーズ」のベイジル・ポールドゥリウスの代表作です。そして映画はシュワちゃんの出世作であり、これがなかったらターミネーターもないわけで、音楽によって作品世界が広がったのは間違いない事実。シュワちゃんもこの曲たちに助けられたと言ってよい。
全ての曲が録音されたと言いましたが、劇中ではおそらくテープ編集と思しき曲もあるのですが、それすら新録音している素晴らしいCDです。
おまけに「キング・オブ・デストロイヤー」も1曲録音されています。それが、未商品化(の筈です。現行本国でも出ていない)のメインタイトルやエンドタイトル曲だと嬉しかったのですが、鏡の間の決闘シーンの曲なのが残念。素晴らしい曲には違いないのですが。
日本ではまだまだ市民権のないヒロイックファンタジーですが、コナンシリーズがなければ「ナルニア国」もなかったのですから、日本の肩身の狭いヒロイックファンタジーファンは是非とも本作を聞いてほしいと思います。
願わくば「キング・オブ・デストロイヤー」「スターシップトルーパーズ」も全曲商品化(新録音であろうとなかろうと)してもらいたい。