瞳スーパーデラックス―13歳のがん闘病記
福岡県大牟田市の小学6年生だった猿渡瞳ちゃんはある日、右大腿骨と肺にガンがみつかります。懸命な抗がん治療を受ける瞳ちゃんですが、中学2年生だった昨2004年に残念ながら帰らぬ人となりました。本書は彼女が亡くなる2ヶ月前に弁論大会用に書いた「命を見つめて」という作文を中心にまとめた一冊です。大牟田市で小学校教諭をしている知人に薦められて手にしました。
瞳ちゃんは書きます。
幸せとは、
「地位でも、名誉でも、お金でもなく 『今、生きている』ということなんです。」
瞳ちゃんの筆致は、まだ13歳という幼さが持つまっすぐで潔癖ともいえるほどの理想に彩られています。それを子供なりの無邪気さから発したものであると、さかしらな大人は微苦笑とともに眺めることも可能でしょう。
私自身はこの十年の間に、腰痛を長患いしたり、激しい痛みを伴う結石で二度も救急車に乗ったり、突然のアナフィラキシーで意識混濁に陥ったりと、たびたび病に倒れました。
幸い今のところは健康な日々を過ごしていますが、病気に苦しんだ経験があるからこそ今の健康に人一倍感謝をし、命の重さや愛しさを今までにないほど強く感じることができるようになりました。
そして――決して不治の病に罹っているわけではないにしろ――、一日一日を精一杯生きようという気構えだけは養うことができたと考えています。
瞳ちゃんは最後に作文をこう締めくくっています。
「みなさんも、今生きていることに感謝して 悔いのない人生を送ってください。」
この言葉に胸を衝かれることがあるような恥ずかしい人生だけは送るまい。背筋が改めて伸びる思いのする本です。
キャンディーズ・タイムカプセル
1.カラオケ不要
2.リミックス不要
3.オリジナルに余計なものは不要
4.音源の出し惜しみ無用
5.ブックレットの充実が必要
6.特典映像はもっと必要
7.ファンへの気配りはもっともっと必要
以上。
キャンディーズ ベスト・オブ・ベスト
田中好子さんの訃報は残念でした。
その後、キャンディーズの曲を聴きたくなり、購入しました。
有名なシングルヒット曲が全て収録されていてお得感があります。
3人のハーモニーが素晴らしいです。
黒い雨 [DVD]
09年8月6日のNHKスペシャル『核は大地に刻まれていた〜”死の灰”消えぬ脅威〜』は、見事なドキュメントであった。日本国が被爆者を爆心地から何キロと限定していたことが虚言であったことがわかる作品である。
旧ソ連が原爆を次々と開発し、その実験地になっていたところから、うんと離れていたところで、被爆者が存在しているという証拠を示そうとした科学者たちの記録である。
旧ソ連では黒い雲として爆心地からうんと離れていた人たちが、被爆者として病んでいく。それが、いかに実証されていくかという過程は納得させる。
同時にヒロシマにおいても、あのキノコ雲が雨と共に流れていき土地と生き物に与えた影響がいかなるものか頑張って2年がかりで研究結果を証明しょうとしている科学者がいる。
このような 研究者はまだ健在であった。
既にアメリカによる原爆投下から 64年経過。
ようやく日本国も原爆症を 科学として冷静に見せつけられたのか、原爆症訴訟全員救済の方向に向かい始めた。あのとき、偶然にも 生存していた人たちの年齢を考えよ。
この原作者 井伏鱒二の小説、さらに映画化を果たした今村昌平監督は、的を得ていたのである。そして、核の怖さをようやく今現実として立証されようとしている、いかに広範囲にかつ長い時をへても存在していることの怖さを知ることができる時代になった。凄いとしか言いようがない。著者や監督にあらためて感謝したい。「体の中で、戦争は続いています」は科学的立証を得ようとしている。必見。