武蔵伝
プレイステーション1初期の作品としては非常に高いクオリティーだと思います。ただ、FF8の体験版と同梱ということで逆に評価を下げてしまった感が否めません。
まず、本作品はアクションRPGです。
難易度はアクションとしても難しい方に入ります。ですから、当時でいうロックマンやスーパーマリオのようなアクションを普段からやっていたプレイヤーならばまだしも、FFのようなRPGを主体としてプレイされている方にはかなり難しかったと思われます。
アクションが好きな私には程良い難易度、軽快な操作感、自由度の高いMAP、豊富な戦闘要素、どれを取っても満足できる作品です。
つぎに、ストーリーに関してです。
FFのようなストーリーに厚みのあるシリアスな作品を求める人々にとって、武蔵伝はとても内容も薄く、突拍子もない話に感じられると思います。しかし、武蔵伝はアクションゲームです。たとえば、名作と言われるスーパーマリオを愛するプレイヤーは、スーパーマリオにストーリー性を求めるでしょうか?ストーリー性皆無として駄作だと言うでしょうか?答えは言うまでもないと思います。武蔵伝に対してストーリー性を求めるのはバラエティー番組にドラマ性を求めるようなものです。
武蔵伝のストーリーは全体としてコミカルで、キャラクターも敵味方問わず憎めないものになっています。肩肘を張らず、気軽にプレイするには丁度良いストーリーだと私は思います。
最後に当時の評価について。
以上に述べたように、武蔵伝は同梱のFF8の体験版目当てにプレイした人の多くには受け入れ難いゲームであったと思われます。当時の評価も批判的なものばかりでした。しかし、純粋にアクションゲームとしてはとても面白い作品です。スクウェアが販売戦略さえ間違えなければ高い評価を獲得していたであろうと思うと大変悔やまれます。
アクションが好きな方にはイチオシのゲームです。
BRAVE FENCER 武蔵伝 解体真書
同時期発売のサガフロンティアの解体真書も記載情報の詳細さが名物でしたが、この武蔵伝の解体真書も負けていません。
アクションRPGであるという前提のもと、「闘の巻」のボスを含めた全ての敵との交戦方法や攻撃パターン、ゲット・インの仕方などが多くは1ページまるまる使って書かれているのが特に便利でした(トポ戦ではちゃんとダンスステップ手順もあります)。
「地の巻」では全マップを画像を主体にミスりやすいポイントやトラップ、足場などのアクション要素面もひとつずつ解説されており、アクション初心者でも見ていればクリアできるようになっています。
スタジオベント著の解体真書などではお馴染みのタイムアタックももちろん記載。「トバシ伝」と題されたこのタイムアタックでは矢印できちんとルート指示がされており、とても分かりやすいです。
後半にはオマケ要素として開発中画像、ボツネタ、サントラリストやスタッフインタビュー。最後のページにはベニー松山によるボルドーやコジローなどのその後が創作小説ながらも掲載されており、ファンにはたまらない仕様です。
BRAVE FENCER武蔵伝剣士の攻略本―スクウェア公式
全体マップなどで迷うことが多かったので参考程度に一応買いました。
攻略本というより、寧ろ入門書みたいなものです。攻略も第一章〜第四章までしか掲載されていなく、第五章・第六章が割愛している状態なので、少し不便でした。またピンチョフィールドや宝箱なども殆どはしょている感じなので、その点が不親切だなと思いました。
もし、武蔵伝の攻略本を買われる人は解体真書の方をお勧めします。一応マップが参考になった点は良かったので星3とします。