DOUBLE DOUBLE CHOCOLATE
邦楽で「ロック」と呼べる音楽が、いったいどれだけあるだろうか? 海外の状況と比較すると、ほとんど絶望してしまいそうになるが、諦めてはいけない。日本にはすかんちがいる。
クィーン、ツェッペリン、パープルへのオマージュ満載の、キュートでファニーな作風。B'zのようにこっそり拝借しといて白を切るような真似はしない。
要は、オマージュを捧げる対象に、どれだけ自分たちのオリジナリティを付与できるか、ということだろう。
ここに収められたポップ、かつハードな楽曲群は、完全にすかんちの色で染められている。リフ主体の曲が減ったのには賛否あるだろうが、歌メロがより際立ったのも事実。「君を好きになった」「プレゼント」「ヘヴン」「ロビタ」「ロックンロールスター」など、真摯なメッセージを持った曲が多いのも特徴か。特に阪神淡路大震災を歌った「ヘヴン」は関西出身の彼らだからこその曲と言えるだろう。見た目は与太者のようだが、中身はどこまでも真剣だ。
HISTORIC GRAMMA
すかんち解散後に発売されたベストアルバム。これ以降発売されたものを含めるとすかんちのベストアルバムは
計4枚あるが、入門用としてはこれが一番よろしくない。まず選曲。「恋のマジックポーション」を筆頭に
代表曲といえる曲がほとんど収録されていない。さらに収録されている楽曲の一部はリテイクverになっており
これがお世辞にも原曲を凌ぐとは言い難いデキのもの。「恋の1,000,000$マン」のリテイクはなかなかでしたが
やはり原曲のほうがいいわなぁ・・。と、単なるベスト盤という枠組みから捉えるならかなりダメダメな本作ですが
オリジナルアルバム未収録な「You You You」「12月はいつもレイン」「もしも毎日がクリスマスだったら」の三曲は文句なしの名曲
リテイクverも含めますと16曲中9曲がオリジナルアルバム未収録。
入門用ベストではなくファン向けのベスト、というか解散記念(?)アルバムと位置づけていいかと思います。
入門用にはやっぱり「SWEETS」がベストかと。「軌跡の詩」はやや難がありますので。