夏のぬけがら
マーシーのファースト・ソロ・アルバム。全体的に夏をテーマにした楽曲が満載で、そしてそれはサザンやTUBEといったバンドとはまた違い、とても切なくて哀愁が漂っています。全曲外れなしの、邦楽史に残る名盤でしょう。これは聴かないと損ですよ。
ただ、ブルーハーツやハイロウズ、クロマニヨンズでの「ロックンローラーなマーシー」の方が好きだ、という方にはあまりお勧めは出来ないかもしれません。具体的にはブルーハーツでの「DUG OUT」、ハイロウズでの「Relaxin'with THE HIGH-LOWS」に収録されているマーシー曲が好きだという方は、きっとこのアルバムも気に入って頂けると思います。
ユリイカ2009年4月臨時増刊号 総特集=坂本龍一 SKMT
中身が濃くて、買ってから読み終えるまでかなりの時間を費やしてしまった。やはり坂本氏が自分の言葉で語った部分が一番興味深いのだが、他の人々の坂本龍一論も学ぶべきところがたくさんある。それにしてもたくさんの仕事をしている人だ・・・・。ソロアルバムはベーシックに回帰した頃からほとんど聴かなくなってしまったが、YMO時代と並行して出されたソロやその後、POPを目指したアルバムあたりまでは全て購入していた。時代を築いた坂本氏はやはりすごい。私生活には・・・触れないことにしよう(苦笑)。
BOOMANIA ~THE BOOM SPECIAL BEST COVERS~
各アーティストのアレンジが、「ああ、こんなのも有りだな」って感じで、良かったです。
当然、オリジナルの方が良いのですけどね。
特に、女性ボーカルだと新鮮で良いですね。
・風になりたい / 絢香
・それだけでうれしい / 坂本美雨feat. 高田漣
矢野さんは、当然なんですが、小田さんの歌が耳に残りました><
・中央線 / 矢野顕子with小田和正
しいちゃん (おはなしのたからばこ 28)
敬愛する歌い手友部が文を書いた絵本。
しいちゃんは自分がもう一人いればいいと思っています。だって、それならいつも一緒に遊べるから。
春、河原で遊んでいるしいちゃんのところに、黒い服にマスクをしたおばさんが近付いてきて、二人は一緒に遊びます。花粉症だそうです。おばさんはまるでしいちゃんのことをおとうさんやおかあさんよりよく知っているかのようで、とても楽しい。おばさんの声も姿もしいちゃんいしかわかりません。
そうして春になるとやってきていたおばさんはしいちゃんが十七歳になったとき、タンポポの綿毛になって飛んで行きました。
もう大丈夫。しいちゃんはそれから色んな旅を経験し大人になります。
月日は流れ、花粉症になったしいちゃんは春にマスクをして、ひとりぼっちで遊んでいる女の子に声をかけるのでした。
友部の、ユニークな世界の切り取り方は未だ健在。でも歌よりちょっと弱いかな。
沢野ひとしが良い仕事しています。
音楽のちから ~吉野金次の復帰を願う緊急コンサート [DVD]
吉野金次さんの名前は『風街ろまん』の時からもちろん知ってる。珍しい字面(じづら)の名前なのでクレジットの欄でも直ぐに目につく。当事の『ニュー・ミュージック・マガジン』などでお顔も何回か拝見した。でもミュージシャンからこれだけ慕われてるひとだったとは・・・。一介の音楽エンジニアなのに、その病気に際して日本トップクラスのミュージシャンがこれだけ集まって、治療費カンパのためのコンサートを開くような、そんなひとだったなんて。あぁ、わたしが無知でした。
矢野のアッコちゃんがホステス役を勤めてるのですが、これがまた急ごしらえっぽくて下手クソで、そこがまたイイです。なんの飾りッ気もない舞台で、音響も演奏も素晴らしい!というには程遠いけれど、それでも単なるノリとテンポ感だけで勝負しがちな今時の「ライブ」とは、なんだか全然ちがう「音楽」を聴けるひとときです。音楽ってのは人間が作ってるモンなんだなあ、って改めて思います。買ってよかった。