幻に心もそぞろ狂おしのわれら将門 [DVD]
劇作家清水邦夫の名を初めて知ったのは、舞台ではなく、高校時代に名画座で観た「あらかじめ失われた恋人たちよ」と言う、妙に観念的な長いタイトル名のATG映画であった。石橋蓮司扮する主人公が、全編饒舌にまくしたてるそのセリフ廻しがいかにも演劇的であったのが強く印象に残り(ただし、この映画のテーマは、"饒舌に対する沈黙の優位性"だったような気がするが)、その脚本を書いた清水の名前を記憶したのだ。その後、早すぎた革命家坂本竜馬を通じて、新左翼運動家たちの内ゲバ、混迷を投影させた同じくATG映画の「竜馬暗殺」を観た後、彼の戯曲集を読んで、この人は60年代後半から70年代前半の"喧騒と変革の時代と若者"を描き続けた時代のトップ・ランナーだった事を悟った。この当時の彼の戯曲は、詩的で観念的なタイトルのものが多い。例えば、「真情あふるる軽薄さ」、「狂人なおもて往生をとぐ」、「泣かないのか?泣かないのか、1973年のために?」と言うように。そして、「竜馬暗殺」とほぼ同じ時期に書かれた今戯曲も、アウトロー平将門をモチーフに、その面白さの中に内包される狂熱と混沌、あの連合赤軍をも想起させる求心力を失った革命組織の疑心暗鬼と焦燥感を感じさせる作品になっている。この戯曲は、書かれた後上演する機会に殆ど恵まれず、伝説的な作品であったと言う。清水の盟友で、かっての同伴者蜷川幸雄の、いつもながらのケレン味たっぷりに構築した世界を堪能しつつ、劇中何度も繰り返しインサートされるシュピレヒコールを聴きながら、現代の若い観客たちは何を感じるのか、ちょっと気になる。熱演揃いの出演者の中では、段田安則と木村佳乃が魅力的。
東京原発 [DVD]
役所さん演じる東京都知事の爆弾発言がもたらす社会派コメディー(コメディーですよね、これ)で、楽しめる作品であるのは間違いないです。
世論を「原発」に発し、もっとエネルギー資源に対して対岸の火事ではなく己が問題に意識してもらおうという狙いのもと、突拍子もない発言をする都知事も都知事ですが、そんな思惑に当初が気付かずに右往左往する都丁幹部達。まったく人事のような発言はホントの現職の方達も、実は似たり寄ったりなんだろ~な~と想像させ、背筋に冷たい汗を感じると共に妙に笑えます。
原発に関する説明のクダリは巻き戻して何度も理解するまで見て、考えさせられました。
実際、原発は大量の水が必要であり、またもしもの時の被害を想定して沿岸部に設置されている訳ですが、この映画を見れば、まさに土地さえあれば何処にでも誘致可能な訳で、TVなどで見る住民の反対運動が明日は我が身ではって思えてなりません。
笑いながら、一つ賢くなれる秀作だと思います。
GOOD LUCK!! DVD-BOX
主人が航空機好き(あまりくわしくないのですが)で購入しました。見ると私もはまってしまって見ています。木村拓哉さんのパイロット姿かっこいいですね。新人パイロット(新海元)がいろんな状況を体験しながら成長していく。実際の現場はこんなんだろうと想像しながら見ています。リアル感がありますね。CAのお仕事もたいへんな重労働だなと感じました。一番好きなシーンは、成田への悪天候の中、再度着陸を試みる2人のパイロットの姿が印象的でした。このドラマを見てから普通に航空機が飛んでいる姿を興味深くみるようになり、搭乗する時は早めに空港に行って機種を覚えるようになりました。この作品はパイロットのお仕事の一部を見ることができたいい作品だと思います。