アッカルド・ヴァイオリンを語る
有名な生島遼一先生訳「第二の性」の冒頭の一句。この本の第一章も「ヴァイオリニストとは、なるものだろか、それとも、そのように生まれつくものだろうか?」と題されています。ヴァイオリンとピアノは幼いうちに発見された才能と、毎日の鍛錬練習が命とも言える楽器と思います。後年になってからでも取り返しの利く管楽器と違って、早いうちから、正しい教育を受ける事が何より重要です。この本はヴァイオリンの技術、そして演奏のレパートリーやプログラムの立て方、楽器、推薦する先人の演奏などが紹介してある、コンパクトで情報の詰まった便利で楽しい本です。
翻訳の日本語も読みやすく、専門家でない私でも十分読めました。アッカルド本人が引用していた有名なダヴィド・オイストラフの言葉「技術は持たなければならないが、次には音楽だけに集中するために、それを忘れなければならない」というフレーズがこの本の要旨ではないかと思います。
ヴァイオリニストはヴァイオリニストに生まれるのではない。ヴァイオリニストに「なる」のだ。それがアッカルドの一番言いたかった事のように思えました。
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲ニ長調
ジュリーニの演奏の特徴の一つとして、細部への装飾に寄り道せず、(時間的な)ある部分をピークとしてクローズアップすることをせず、間断とすることなく全体の大きな流れを形づくるという、「辛抱強さ」「集中力の持続」が挙げられると思います。
それゆえ聴き終わる頃には、ひと続きの全体として楽曲の構造が諒解されるという演奏であります。
そしてそのジュリーニの「集中力」は聴く側を疲れさせる性質のものではないのです(彼の演奏には時々ぐったり疲れさせる演奏もある)。アッカルドのソロやオーケストラの瑞々しく硬さのない音のためでしょうか。
わたしにはこの20分以上に及ぶ第一楽章を少しの飽きも感じずに聴きとおせる、数少ない演奏です。
この楽曲がその長大さゆえに苦手だという方は、是非このジュリーニ/アッカルド盤で聴いてみてください。
パガニーニ:ヴァイオリン協奏曲第1番&第2番「ラ・カンパネッラ」
聴く人の好みも有ると思いますが、個人的には良い買い物をしました。
録音によっては、前奏(?)部分が激しく切り落とされる(短縮される)非常に長い第1番もカットされていませんし、
6トラック目の「鐘のロンド」など踊りたくなるほどです。
価格も安いですし、オススメです。
ラヴェル:作品集
正直に言えば、普段クラシックはあまり聴かないのですが、
ゆったりとした、どこか物悲しい旋律が耳から離れません
他の曲も良い曲ですし、どのアルバムにしようか迷っているなら
ぜひ『ラヴェル:作品集』を候補に!