6月の雨の夜、チルチルミチルは
なんて、恐ろしい歌だろう。タイトル曲を最初に聞いた時にそう思った。
少女と駆け落ちする、妻子ある男。彼らはその後どうなったのだろうか?
ラストの曲、「愛について」で、遠くから父のいない子と夫のいない母を見守る男が、かつてミチルとともに彼らを捨てて旅に出た、チルチルであって欲しいような、そんな気がする。
リチャード・マニュエルに捧げた、「ジョージア・ジョージア・オン・マイ・マインド」にはコーラスで上田正樹が参加!
6月の雨の夜、チルチルミチルは
初めて聴いたとき、この作品の「こなれた感じ」が、ちょっと、「迫力」から遠ざかってしまっているように感じだ。
そのまま、時々聴くけど、ほとんど、聴き返さない、そんな風になってしまっていた。
でも、いくつかの曲が、時々、妙に聴きたくなって、「やぁ、久しぶり」という感じで、聴き返す。
普通そういう時、曲は、「待ってたんだよ」と主張するんだけど、このアルバムの曲は、どの曲も、そんな無粋な真似はしない。
ただ変わらないままで、そこにあり続けるだけだ。
変わったとすれば、聴き手の体の、浸透圧で、実はどんどん、無口なはずのこのアルバムの音楽が、体の中に浸透している。
「夕日は昇る」ほどのインパクトは無いが、ポカラやカンテ・グランデのような、手触りも無いが、しかし、この、時を経て胸にしみるしなやかさは、随一だろう。
この作品は、たくさん語っている。
たくさん語っているけど、言葉は、そこにあるだけなのだ。
そんな佇まいが、たまらなく好きだ。
テレビアニメ スーパーヒストリー 20「あしながおじさん」~「燃えろアーサー 白馬の王子」
「大恐竜時代」「森の陽気な小人たち ベルフィーとリルビット」
「メーテルリンクの青い鳥 チルチルミチルの冒険旅行」
が収録されています。
個人的には
「メーテルリンクの青い鳥 チルチルミチルの冒険旅行」
あまり上手に聞こえないんだけど
なんかお勧めです。
青い鳥 (新潮文庫 メ-3-1)
あまりにも有名な物語なのでレビューを書くまでもないのですが、あえて訳者の違いという点で書きたいと思います。
初めて読んだ青い鳥が若月さんの訳したものでした。
小学校5年くらいだったと思います。
そのあと、忘れた頃に青い鳥を別の方の訳書で読みましたがピンときませんでした。
私の中の青い鳥は若月さんの青い鳥だったのです。
戯曲で書かれたこの本は、さまざまな物の精の服装や、性格の想像などが容易にでき、頭の中ですぐに浮かんできます。
また舞台設定なども書かれているので、情景なども思い描くのが本当に楽しいです。
大人になった今でも時々繰り返し読んでいます。
最後の光や、その他の精とのお別れが悲しくて、また最初に戻ってしまうことも……
数ある青い鳥の物語ですが、若月さんのこの戯曲本をぜひ読んでみて下さい。
メーテルリンクの青い鳥 DVD-BOX チルチルミチルの冒険旅行
原作とは変更点はあるものの、丁寧に制作されているアニメです。
毎回違う挿入歌が使用されるという、音楽面でも非常に贅沢な作品となっています。
しかもステレオ録音です。
ミュージックビデオ的なシーンや、豪華な声優陣で楽しませてくれますが、
なんといっても美輪明宏さんの「夜の女王」の怪演が光っています。
悪の高笑いも最高です。
しかも挿入歌も1曲担当されているという豪華っぷり。
時には美しく、時には激しく恐ろしい夜の女王。
おそらく美輪さん以外には表現できなかったのではないでしょうか。
一聴・一見の価値ありです!
当時(30年前に)美輪さんにオファーをしたスタッフのセンスに脱帽します。