釣りキチ三平 平成版(12)御座の石/能登のタコすかし (KCデラックス)
きちんと取材の上に漫画を描いておられ、感心します。
12巻では、2本立てで、まず一つは「御座の石」という話です。
こちらは、昔実際にあったことを三平を初めとするキャラクターで描いています。
もう一つは「能登のタコすかし」で、プロローグで今は亡きじっちゃんの竿作りの道具の中でも重要な火鉢にスポットを当て、珪藻土の「切り出し七輪」で有名な能登の珠洲へ行き、能登の秋の風物詩の一つである、「タコすかし」という漁法でタコを釣るといった内容です。
特に、能登のタコすかしの方は、昔の釣りキチ三平のような、「釣り」にもスポットが当たっており、ある意味で、「やっぱり釣りキチ三平はこの方が良い!」と思う部分でもあります。
釣りキチ三平 平成版 クニマス発見! 三平、幻の魚を追う! (プラチナコミックス)
釣りキチ三平大好きです。
クニマス!だったので予約購入しましたが1ページ目を見てびっくり。
まさかキノシリマス編だったとは…。
説明が足りなすぎますって!。
あとがきがクニマス発見時の感動を思い出させてくれた分だけ価値がありますが正直出版社にうまく乗せられてしまった感が否めません。
でもいっときますが、平成版をこれから見る方にはいい機会だと思います。
ストーリーは久しぶりに見ると泣けるほどですから!
奥の細道―マンガ日本の古典 (25) 中公文庫
矢口高雄入魂の一作である。
曰く、「現在のボクにできる最高の作品になったと自負している」(P297)。
買って損はないことを私も保証できる。
もちろん一冊で『奥の細道』の全行程を漫画化できるはずはない。
著者は行程を三分割し、平泉から出羽路を選んだ。
「出羽路こそが『奥の細道』そのものであり、なかでも平泉から月山にかけて詠んだ芭蕉の句の数々は、『奥の細道』を代表する名句であり、日本人ならば誰でも知っている、いわゆる人口に膾炙した名句ばかりである。
つまり、そこでの人々との出会いや別れ、そして数々の名句が生れた背景と、それを詠むに至った芭蕉の心情を描けば、芭蕉の旅の全体をおおむね表現できるのでは、と考えたのである」(P298)。
上記行程の合間に芭蕉の前半生の物語も挿入されている。
釣りキチ三平[DVD]
脚本は、「キサラギ」の古沢良太なんだけど、ドラマとしてはありきたりでしたね。笑いもストーリーもはじけられず、生真面目にすぎる。 都会批判と自然礼賛がテーマなのか??? でも、それらは底が浅く、TVのスペシャルドラマのよう。
ロケ地へのこだわり、釣りの美しさといった、画作りは職人監督らしい堅実さがありますし、VFXも、いい仕事をしており、餌に食いつく魚の映像は素晴らしいです。
しかし、原作の漫画的誇張を引き継ごうとしたラストの釣りシーンと、それまでのドラマの普通さとのバランスが悪い。ドラマの部分が誇張のないテンポと調子だったのが、急に漫画的になるのに違和感を感じてしまう。たとえば、トンボに釣り針と糸を縛りつけて巨大魚を誘うのだけれど、「大きな釣り針を括り付けられて飛べるわけないじゃん」という気持ちになってしまう。これが、最初から漫画的に展開していれば、それもアリかという気持ちになっただろうし、巨大魚の造形も凄いと思えたのでしょうが、漫画らしさをイマイチ受入れられない。最初から、もっと漫画チックにガムシャラにやってほしかった。