木を植えた人
人はいったいいかに生きるべきか。幸福に生きるとはどういうことか。私はクリスチャンではありませんが、クリスチャンでなくても、この本にはほんとうにそういったことについて考えさせられます。This book makes you think about life. まさにそういう感じです。近頃森林の減少、地球温暖化が叫ばれていますが、そういう時代だからこそもう一度この本を読み返してみたい、そういう気をおこさせる本です。短編であっというまに読めるので、どなたにもお勧めです。また、けっして読み手に、キリスト教を押し付けるような本ではありませんのでご安心を。文句なく五つ星としたいと思います。
シルクロードの水と緑はどこへ消えたか? (地球研叢書)
非常に面白い本でした.
“水”環境の変遷に的を絞ったシルクロード・砂漠の本というのにお目にかかったことがなかったので非常に興味深く読むことができました.
砂漠を流れる河川の特徴,オアシスの姿,それから地下水.
第1章〜第3章では,湿潤な日本とは全く異なる水の振る舞いをとてもわかりやすく解説しながら,シルクロードの環境変化の変遷を最新の研究成果を織り交ぜながら記しています.
第4章では,中国から日本にやってくる黄砂について,地球環境におけるその不思議な振る舞いを紹介しています.
そして,とくに面白かったのが第5章.
水問題は,昔も今もかわらずに多く存在するもの.有史以来の人類最古の問題といっても良い.なのにいま,あれもこれも“世界水危機”だといって騒がれる.その実態は何なのかを,その変遷と共に冷静に述べています.
石油危機や地球温暖化などとは性質が異なる水の問題について,考えるきっかけをこの本は与えてくれると思います.
性質が違うが故に,希望もあります.“危機だ,危機だ!”といってあわてふためく前に,その本質を少し考えてみてはいかがでしょうか?