ザ・ヴォイス
このCDでは様々なジャンルの名曲を魅力的な声で聞かせてくれました。
「誰も寝てはならぬ」は本当に良かったですね。歌心を持った表現力は群を抜き、声量はとてもたっぷりとしており、声質はパパロッティを彷彿とさせます。ルックスは若き日のドミンゴよりもステキで、カレーラスよりもずっと精悍です。
他の曲を聴くにつれ、それ以上の魅力を一杯兼ね備えたヴォーカリストだと思いました。「フニクリ・フニクラ」なんかは、イタリア出身の歌手よりももっと「イタリア」的でもありましたね。ハスキー・ヴォイスとオペラティック・ヴォイスの使い分けは素晴らしいの一言です。
「明日に架ける橋」の名唱は、ポップスのヒットチャートにのっても相当上位にいくでしょうね。
工場労働者として16歳から働き、深夜勤務をこなしながら「独学」でオペラアリアを学んだようです。最初はボピュラーソングからスタートしたわけで、同じ1人の声なのかなと感心して聴いていました。それもワトソンの魅力の1つに上げられるでしょう。
「イギリス」の「テノール」歌手、というステレオタイプ的なイメージとは全く質の違った雰囲気をワトソンの歌声から感じました。
「天賦の才」という言葉がありますが、労働者階級という出自を越え、“ゴールデン・ヴォイス”と称された「国民的歌手」の存在は、イギリス社会の閉塞間を打ち破る一つの例でしょうね。
ブレア首相のように、そして古くは「ビートルズ」のように・・・・。
パヴァロッティ・フォーエヴァー
声楽系のクラシックCDはあまり聴かないし、買わないが、パヴァロッティの歌声はやはり手元において置きたいと思った。
ベスト版の宿命で曲ごとの録音状態にばらつきがあり、鑑賞としては落ち着かないが、いろいろなジャンルの名曲が聴けるのはいいとこ取りのメリットである。しかもプライスダウでの発売はうれしい限りである。
美声と歌唱力がすばらしいのは勿論だが、この人の人柄からにじみ出てくる親しみやすさが心地いいと思う。順番再生に飽きたらランダム再生にするとまた新鮮に聞けると思う。
ベスト・オブ・3大テノール
三大テノールと言われる人たちの競演で、素晴しいと思います。ただ、クラシックの入り口にいるような、私のような者には(恥ずかしながら、三人の声の区別が、できないのです)、 このようなライブ版よりも、スタジオ録音された一人一人の歌声を、聞き入るのがBETTERかも知れません。
たまたま聞いた、歌劇「トゥーランドット」~誰も寝てはならぬ(プッチーニ)を歌うカレーラスが素晴しいと感動して、このCDに辿り着きました。
そうした《自身の感動を追いかける形での買い求め方》それが自然で、《天才が登場するのだからいいに決まっている》っていうような求め方よりも、結果的には間違いの少ない方法かも知れませんね。
時間が経てば、今の自分のこうした考え方も変化するかも知れません。
ただ、このCDを何度聞いても飽きが来ないのは、この三人の声には、きっと何かとんでもないものが潜んでいるのではないかという予感はあります。May.10'05
このような世界を知るきっかけを与えてくれた、カレーラスの歌声には感謝します。