千年女優 [DVD]
ラブストーリーが本分だと思って見てたので、あの最期の台詞には完全にやられました。
彼女にとっては、演じることそれ自体が恋することと同等、もしくはそれ以上の意味を持つことだったんですね。
千代子の恋はいつ始まったのか。 そして初めて役を演じたのはいつだったのか。 まさにそこが鍵だったわけでしょうか。
振り返ってみると『鍵の君』から役を与えられた時から女優人生は始まっていたと言うことなんですね。 つまり、ここが“役を演じること”と“恋”との重層構造の出発点になっていたと。
まるで恋のように“役を演じることに憑かれ、追い続け、求めずにはいられなかった”女優の人生譚だったとは…
なるほど。恋は報われなくとも、そもそも成否などは関係がなかったのかもしれませんよね。
彼女は自分の内なるものが求めるままに、その道をひたすら追い続けただけなのだから。
純粋さと言うのはある部分でエゴイスティックであるけれども、そのひたむきさ故に美しく、いとおしいのかもしれない。
狂気の愛 (光文社古典新訳文庫)
シュールレアリスムの中心的存在、アンドレ・ブルトンの代表作。
20年以上前に読んで、「なんだかよくわからないけど凄い」と思ったことだけは覚えている。
今回、古典新訳で読み返してみて、まずわかりやすさに驚いた。
もちろん、シュールレアリスム文学だから、難解で詩的な表現も多い。
全体のプロットも、つかみ所がないとも言える。
しかし、大胆な訳と、詳細な注釈で、シュールレアリスムの世界観のようなものを
実感させてくれる。
愛のどんな敵も、愛が自らを讃える炉で溶解する
いいなあ……。こういうフレーズを書きたいものだと思う。
まさに「詩」だ。
いずれにしても、ブルトンの作品がこんなふうに手軽に読めるだけで感動である。
ヒーローズ~ヴィヴァルディ・オペラ・アリア集
地味な歌ばかり歌っているカウンターテナーのフィリップ君ですが、これは英雄たちのアリアということで、輝かんばかりに華々しいアリアのオンパレード!こんなアルバム待ってました!フィリップ君の歌声は、、まさしく声のストラデヴァリ!この身長、この体格、この声帯、すべての偶然が重なって,みずみずしく、清涼で、繊細で、極上のシルクのようなこの歌声が生まれるのでしょう!歌声には「もののあわれ」があり、それでいて母音の逃がし方がなんともいえず温かく、お母さんの子守唄のような温もりがあるのです。ファルセットとはとても思えません。極めて自然な歌声です。今回は内ジャケも開けてびっくり!毛並みのよい、いかにも上品なお育ちのフィリップ君の写真がたっぷり。ルックスもいいもんネ。次はヘンデルのヒーローズを期待します!
幼児性愛―狂気するペドフィル犯罪
幼児を狙った殺人から売春の斡旋、監禁や汚職など
様々な形で幼児性愛という病がからむ十近くの事件の詳細が
載っていて、「幼児性愛の歴史」といった趣になっています。
幼児性愛者の心理などにはあまり触れませんが、
事件を淡々と綴るだけでなく、ひとつひとつの事件に対して
著者の分析や問題点の提示なども含まれているので
幼児性愛という病について真剣に考えながら読み進めることができました。
地獄の賞賛 ~KISS トリビュート・イン・ジャパン
もの本のライブを忠実にMCから観客まで再現したかったイエモンからあの野宮真貴まではいってます。
個人的にはこの中ではキュートな野宮くらい異色を放つどぶどぶに未練たらしいベスがいいです(笑)そのために購入しましたがどっから入っても充分楽しめる1枚だと思います。