ジャングル大帝(1) (手塚治虫漫画全集 (1))
この作品が、手塚先生の傑作、名著であることには今更、異論などでる筈がないでしょう。
只、この作品を相互扶助の精神が一貫していることには、思いがけず賛嘆の吐息が洩れます。
手塚先生が、ピョートル・クロポトキンの書籍に目を通していたかは推し測りかねますが、ジャングル大帝の根底に流れているのは、クロポトキンの相互扶助論のそれに他なりません。
映画 クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!サウンドトラック大全集
特に去年、一昨年と名作を世に贈りだした映画シリーズ『クレヨンしんちゃん』のサウンドトラックですが、いまさらここで言うまでもない名曲ぞろいです。
僕は”ひろしの回想”目当てで買ったといっても過言ではなく…いやはや、聴いただけで涙が…
ジャングル大帝(3) (手塚治虫漫画全集 (3))
子どもやジャングルの仲間たちの死斑病を治してくれた礼儀として、ムーン山のヒゲオヤジたちのいる探検隊に同行することになったレオ。やがて、吹雪に襲われ探検隊は、壊滅寸前まで追いやられる。レオは、そして、ヒゲオヤジは・・・。
この登山の結末は、とても悲しい。読んでない人のため、詳しくは書きません。
パンジャからレオ、そして、ルネへとつながる命のリレー。ジャングル大帝としての3匹のライオンが、壮大に描かれている。読み終わった後、「ふぅー」と、ため息が出る漫画です。悲しいのではなく、自然、人間、命、色々と考えさせられる漫画です。
ライオン・キング スペシャル・エディション [DVD]
ストーリーは確かに、善悪が極端なアメリカらしい作品。私も子供の頃観たときは、そこまでの感動は覚えませんでした。
しかし、大人になってみた今、このストーリーの本当の良さはそこではなく、もっと深いところ・・・シンバが王になったからハッピー、というだけではなく、自分から逃げ続けていたシンバが大人になり、「自分」に立ち向かう姿に大きく感動したのです。
過去の失敗や、受け入れがたい点、逃げたい点すべてひっくるめて「自分」であることを認め、立ち向かう勇気を持つとき、人は大人になったといえるのではないでしょうか?
ディズニーはそんなメッセージをスカーやハイエナたちを一つの道具として使い、シンバの葛藤をより強烈に、またストーリーを誰が観ても理解しやすい物にしたのではないかな・・と考えます。
とにかく、音楽もすばらしいし、ディズニーの最高傑作の一つに間違いありません。