Yasuhiro Suzuki Anniversary Live 1970-2008 [DVD]
このライブは08年のものですが、当時60歳のヤスさん。オフコース時代から現在までの『自分史』を体現させるかのような名曲づくし・・・。3時間30分超のステージでしたが、最初から最後まで集中力のある見事な演奏。ギター好きは必見!小田和正氏が以前『リードギターとボーカルを同時にやらせたら日本で一番』と称えた答えが、ここにあります。
over(紙)
前作「We are」は、ヒット曲満載で、5人の個性がバランス良く均衡を保っていた。そして、この「Over」が、発売された。「言葉にできない」のフェードアウト部分に小さく、ヴォコーダーを通した声で「We are, Over ,Thank You」というメッセージが聴き取れる。つまり、前作製作時点で、既に、鈴木さんが、この2作で脱退する事が決まっていたように思える。そうすると、「言葉にできない」の詩、「あなたに逢えて、本当に良かった」の「あなた」とは、無名時代からの友人、鈴木さんへの小田和正のメッセージなのではないか?と思えてしまう。普通に聴けば、ラブ・ソングなのだが、2作のタイトルを繋げ、このメッセージが聴こえた時に、あの「オフ・コース」は、これで終わった!と感じ、感慨深かった。何と意味深なアルバムなのだろう。ダブルアルバムにすれば、この意味が明確にリスナーに伝わったのでは、ないだろうか。名作です!
SINCERELY [DVD]
オフコースを脱退して1作目のソロアルバム。YASSの変わらぬ男のメッセージが伝わってくる。透き通るような歌声と彼の音楽のこだわりが映像にも表れていますが、私はどちらかというと歌メインなのでCDも再販してほしいですね。
GIVE UP―オフコース・ストーリー (角川文庫 緑 540-1)
ボクのような中高年男性はオフコースファンだ、小田和正がいいとか堂々と言いにくいところがある。なんだか、軟弱だとか女々しいと言われそうな気がするからだ。
となると、一人で本を読んだり、CDを聞くというのが密かな楽しみとなる。
この本は人気絶頂のまま解散したオフコースの裏舞台、解散に至るまでの人間ドラマが丹念な取材によって描かれている。
オフコース5人の人間ドラマ、とくに小田和正と鈴木康博とのある種の確執のようなものが描かれており、なかなか興味深い。
スポットライトを浴びる者とそれを蔭で支えている者。スタートは一緒だったのに、いつしか、前を走る者と後からついて行く者という序列ができてしまう。なんだか男社会の出世競争で勝った者、敗れた者のイメージがだぶり、中高年には鈴木康博さんの気持ちもわかる気がするのだ。