戦国自衛隊1549 DTS特別装備版 (初回限定生産) [DVD]
近作は念願の自衛隊全面協力ということも手伝って、武装車両、ヘリコプターなどメカ的には凄くいいです。出てくるだけは・・。
前作(オリジナル)で協力が得られなかったため、角川は当時数千万円をはたいて、61式戦車(確か61だったと)のレプリカを作成、話題をさらいました。そのおかげかそちらの作品は存分にアクションがあったのですが、今回は自衛隊に気を遣ってか、アクションは非常に抑えられており、かえってスケールダウンした感じです。ネタバレで言いますと兵器を使った戦闘シーンはほとんど無。ヘリコも簡単に落ちるわ、戦車もあっさり撃退され、活躍の機会はほとんどありません。
どちらかというとストーリーと人間ドラマに重視をおいており、SF色の濃いアドベンチャー作品に仕上がっています。なので作品としては決して悪くないのですが、オリジナルの好きな方にはあまり面白くない内容だと思います。涙腺を熱くしたあの物語は、今回は涙腺が熱くなるシーンがほぼ無しということも、マイナスです。
オリジナルへのオマージュとして、腕時計(誰が見るかは見てのお楽しみ)で時間を確認するシーンは面白かったですよ。
虹の彼方に(下) 機動戦士ガンダムUC(10) (角川文庫)
ラプラスの箱。その秘密は、“な〜んだ”と思えるものでもあり、でも使いようによってはこの“ガンダム”という世界を崩壊させる力を持つというのを、本を読み進みながら一緒になって、なるほどと想い、考えてしまった(苦笑)。
個人的には、サイコフレーム絡みで、“逆シャア”と比べて奇跡を起こす力を引き出す“人々の注目(ちから)”が足りないように思えました。“アクシズショック”を引き起こしたのは、“あの二人”の力だけではなく、一時的であれ、“世界の人々の想い”が重なったからと理解していますが、今回のコトにはそれほどの大きな人のつながりは残念ながら感じられず、ちょっと“奇跡”を起こすには…と思ってしまいました。
きっと、この後のお姫様とガランジェール隊は、騒動の前と変わること無く…とならざるを得ないと思いますが、それも本作の示した“世界のありよう”であろうし、願わくばバナージは地球の引力(肉体という限界、といったほうがいいかな?)に引かれずに、お姫様と幸せになってほしいと思います。彼なら、大丈夫かな?(笑)
ニュータイプを真正面から捉え、モビルスーツ否定、ひいては肉体否定まで到達し、描いてくれた本作品は、1stに心を奪われた私としては非常に嬉しい物語でした。最後はこれで良かったと僕は思いますし、真正面から取り組んでくれた福井さんに感謝です。
機動戦士ガンダムUC(10) 虹の彼方に(下) (角川スニーカー文庫)
この最終巻に掲載されている最終回を読んだ後、何年ぶりか記憶がない位久しぶりに、富野由悠季氏の小説「伝説巨神イデオン」全3冊を本棚の奥から引っ張り出してきて読み、劇場版発動篇のDVDを観てみた。
このガンダムUCという作品はガンダムマーケットの中で存在する為に、全く言及されず、余り知られてもいないが、作家としての福井晴敏氏に最大の影響を与えたのは、ガンダムよりもむしろイデオンである。
福井氏本人も、NHK-BS番組に出演した際「イデオンと出会ったことによって、全ての価値基準の中心軸がイデオンとなってしまい、その後の人生で様々な作品と出会う度に、“この作品はイデオンと比較してどうなのか?”と自問するようになった」と告白している。
ガンダムUCの最終回は、はっきりとイデオン、それも原作小説のラストシーンを意識した返答、回答として構成されている。
”ガンダム”という最早救いようがない程にマーケットに染まりきった枠に拘らず、純粋に”人の業を描ききることを主題とした富野文学”という視点で捉えたとき、ファーストガンダムで提起されたテーゼに応えた正当な続編はむしろイデオンである。(オーラバトラー戦記やVガンダム辺りも、それらに含まれるだろう)
福井氏は本作で、”可能性という名の神”という表現を使った。
この言葉によって、「イデオン発動篇」で完膚なきまでに冨野氏が否定した、”生身の肉体に囚われた人の業の愚かしさ”に救済と可能性を残そうとしたと言える。
この辺りは予想通り・・・というか他に書きようがない。"イデオン"で一度示された結論に立ち向かうには、表現がどうあれ”愚かしい生身の肉体の業の輪廻にこそ、健やかな人のありようがあるのではないか”と開き直るしかないからだ。
「・・・なにがショックといって、『ガンダム』の最終回で「僕にはまだ帰れるところがあるんだ」と主人公にいわしめた同じ富野監督が、今度は見知らぬ惑星に転生していくしか和解するすべのなかった人々を描いたということ。もしここで、その新しい星こそが現在の地球であったのかもしれないと考えたとき、そこに描かれた絶望と諦念は限りなく深い・・・」(大田出版「イデオンという伝説」より抜粋)
予想通りの結論ではあったが、いつもの福井節で”愚かしくもいとおしい、普通の人々の悪あがき”を、いつも通りに書き切ってくれた福井氏の力量に敬意を表したい。
ローレライ プレミアム・エディション (初回限定生産) [DVD]
まずしょっぱなからヒロシマのあの事実がワンシーンとしてくるのが衝撃でした、そして次からのあのヒロイックなストーリー展開、素直にいい作品だと思いました、私はなぜあれだけこの作品をけなせるのか不思議です、リアリティーうんぬんを言ってるひとに唐突すぎるかもしれないがこう言いたい、そんなに戦争が見たいのか、あんたたちは!
機動戦士ガンダムUC(9)虹の彼方に(上) (角川スニーカー文庫)
まったくの新作の小説としても十二分に面白い。
しかしこれまでのガンダムを読んでいれば更に倍増!
このあたりの作り方はずるいですね。
そしてこの9巻あたりは感動ものです。