国家は僕らをまもらない―愛と自由の憲法論 (朝日新書 39)
立憲主義とは何かということを分かりやすく解説してくれる。
<国家の三要素のうち統治権=権力と国民は対立物である。国家=権力は放っておけばろくなことをしない。だから、憲法で縛りをかけて「余計なことをさせない」こと、憲法で公=権力の領域と私=個人の自由の領域にきっちり線引きすること、そうあるために、個人が「自立」できること、自分たちの力で権力をコントロールできることが必要だ。>
要するに、国家=権力に余計なことをさせないようにする仕組みを担保するというのが、立憲主義の考え方である。幸いながら、ぼくは公権力の横暴に接した機会があんまりないが、権力者は何も歯止めがなければ暴走するというのは歴史的にみれば真実であるということを疑うことはない。というわけで、立憲主義に立脚して、現在の自民党憲法草案とか読売試案に反対する著者の主張はわりかし理解できる。
特に、自民党案の<日本国民は、帰属する国や社会を愛情と責任感と気概をもって自ら支え守る責務を共有し>という部分。
こういう文章は立憲主義の考え方となじまない。しかし、何度読んでも気持ち悪い。日本は好きだけどね、何を愛するかなんて自分で決めるっつーの。
なぜかフランス料理の紹介から入るので最初はいけすかない感じだが、読んでいるといい人なのがよく分かる。いい人すぎてあまり文章はかっこよくないのだが、それもよし。うかつにもちょっと涙腺が緩んでしまう箇所も。
変愛小説集
最高です。大人の純な恋心を呼び起こしてくれる。そんな物語です。
読んでいるうちに、ファンタジーという名の奇妙な世界にグイグイ引き込まれてしまいます。
文字を読んでいるのに生々しい映像が浮かんでしまう。
ひゃぁ〜これって、と読んでる途中「ふっ」と我に返りつつ、
でももその世界から逃げ出すのがイヤになる。引き込まれっぱなしの連続です。
とにかく、読んでみてください。
わたしは「まる呑み」が好きだな。
わたしも、愛する誰かを呑み込みたいです。
LIFE
このアルバムを初めて聴いた時、僕はまだ大学生だった。
まだ希望に満ちていた時期だった、と思う。
それから何年もたって、深い絶望も何度か経験したし
実際に自分自身の死に向かい合った。
今、このアルバムを聴くと、そんな、深い絶望を引き受けながら
明るい希望を歌った作品なんだな、と思う。
誰かも書いていたけど、だからこそ「dogs」とこのアルバムは
表裏一体なのであり、深みがありいつまでも色あせない。
このアルバムを聴くと涙が出るのは、そんな作品だからなんだろう。
人は死ぬ。
人生はいつか終わる。
自分の家族も
愛おしい恋人も、妻も、自分の子供も愛犬も
今僕が歩いている街で息をしている人たちも
100年後には恐らくみんないない。
だからこそこの瞬間が素晴らしいんだ、と
高らかに、朗らかに歌い上げる
小沢健二の感性の深さと瑞々しさを
多くの人に知って欲しいです。
「恋する僕ら」 メイキング オブ 愛の言霊~世界の果てまで~ [DVD]
今回の主役2人… どうなのかなぁ…って思っていたんですが… メイキングを見る限り とっても良い雰囲気で 撮影が進んで行ったのがよく分かります。
龍之介君やまこと君の お茶目な一面が見えたり、ヤスカ君の この作品に対する愛が見えたり…裏話が聞けたり…
前作からのつながりも感じられて、1度見たら またもう1度と 何度も繰り返し見たくなるメイキングです。
本当に雰囲気が良いので、本編もきっと 良い作品に仕上がっているんではないでしょうか。 8月の上映が待ち遠しいです。
新世界創造記・後編(初回限定盤)
基本的には前編とは変わらないけれど、WEAVERの特徴ともいえるせつなさは控えめで、力強さの方が全面に出た印象。個人的には前編の方が好きだけれど、最近のJ-Popでは秀逸なのは間違いない。しかし、限定版に収録されているピアノソロ7曲は疑問。ピアノソロバージョンの方が出来がいいなんてことはないし、そもそもバンドなのになぜピアノソロを7曲もいれる必要があるのかわからない。これでは他の二人のメンバーはおまけだといっているようなものではないか。アルバムとしては通常盤の方がよいと思う。