ヴィヴァルディ:協奏曲集
通常この曲は弦楽オーケストラで演奏されますが、この演奏では1人1パートで構成されています。
構成は、ソロ,1stバイオリン,2ndバイオリン,ビオラ,チェロ,コントラバス,テオルボ,オルガン&ハープシコードの8人編成です。
1人1パートの構成で録音されたこの演奏は、音量変化などダイナミクスに対して柔軟であり、即興性があります。そしてアンサンブルにとても透明感があり、非常に美しい演奏になっています。
四季以外の曲が入っていないのが惜しいですが、綺麗系の古楽解釈が好きな人なら一聴の価値ありだと思います。
バッハ:ゴルトベルク変奏曲
バッハ ? 興味ないね. ゴルトベルク ? 退屈だろ.それが違った.弦三重奏への編曲が原作の音すべてを表現していることは調べてある.ところが一人がクラフィアで弾くのと違って三人の腕っこきが合わせるとなると,これは決闘の場に変化する.それでいてきちんとアンサンブルが保たれているので,普通の弦四重奏とはまるで異なる雰囲気となる.このような合奏は滅多に実現するものではない.それに今井さんから見ると Rachlin は親子ほども歳が違う.この坊やと Maisky との間を取り持つ役は楽ではない筈だ.しかし Nobuko さんは中枢の役を見事に演じ切る.これほどバッハが鮮やかに弾かれた例は稀だろう.これほど exciting に響いた例も稀だろう.60を過ぎた年齢でのこの活躍,今井さんのファンとして誇らしく思う.強く推薦.なお,スコアは www.doblinger.at で入手できる.