35歳までに読むキャリア(しごとえらび)の教科書 就・転職の絶対原則を知る (ちくま新書)
「自分は本当は何がしたいのか?」を考えるうえで大きなヒントをもらった。
現状の仕事への適応度を「動機」と「能力」のみで評価するモデルは分かりやすく、
それでいて「動機」「能力」についても細分化して詳しく述べられている。
これによって自分の隠れた欲望・期待に今まで以上に迫ることができた。
ただ9個あるケースは全て大成功例であり、敷居が高く感じられてしまう。
また筆者はポテンシャル(≒若さ)を強調、「転職は20代、遅くても35歳まで」と主張しており、
29歳の自分にとっては、手遅れな感じがしてしまう。
スウィングガールズ スタンダード・エディション [DVD]
気に入ったDVDは、本のように何度も何度もお気に入りの箇所を見直して楽しめることを気づかせてくれた。このDVDを買った日、少なくとも10回は何度も繰り返し、見てしまった。少年時代、ブラスバンドで唇から血が出るまで練習した日々が蘇った。ひとこと。すばらしい。
官愚の国
真実は黙っていた方が穏やかに過ごせるが、著者はついに上級官僚について真実をしゃべってしまった。一度役所で働いたことのある人間ならば、さほど驚くほど内容でなく、とくに1章は読者層を大衆向けに「官僚は無能」と単純化し過ぎてつまらない。2章、3章と読む進むうちに段々興味深い話が展開する。
産業政策や天下りをずばり表す英語が存在しないこと、公務員には失業保険がない(絶対に失業しないことが暗黙の前提?)、官僚制度はどこの国でも政治との緊張関係にあり、中立性と即応性がなければならないこと、官僚は試験でなる者と政治家任命による者(政治任用官)の2種がある等等。
一番面白いのは、財務省出身者でなければ書けない内容で、彼らは予算の絶対的な権限を持っている以上、公務員全体の給料まで口を出せ、日本のすべての役所人事まで影響力を持っていると“思いこんで”いるらしい。しかし、私が昔上司とした財務省のキャリア職はたしかに自信過剰な人が多いが、別にそれは財務省に限らないし、素朴な尊敬できる人柄の人もいる。問題は財務省ではむしろ世間知らずの人達が殆どで、視野が狭く、一般社会では敬遠か暗に軽蔑されているのを知らないことである。彼らが本領を発揮できるのは官僚制度の中であるが、そこは数々の陰謀、陰湿な嫉妬、軽薄なパフォーマンス、足の引っ張り合いが渦巻く醜い場所である。民間から来た人は必ず驚く。役所を知らない人達はこうした一種の暴露本?を読む価値があるかもしれない。
学歴について言うならば、役所では東大のみを大学とするには賛成だが、良心的で知識欲がある場合、東大出身者は世間が思うほど他大学を軽蔑していない。第一いちいち東大か否かを確認していたら、仕事ができない。むしろ相手の喋り方で暗に知識人としての標準化志向があるか、仲間としてみなせるかどうかを判断する傾向がある。本書ではそうしたことまでは触れていない。
NHK名曲アルバム・ベストI~やすらぎの名曲ベスト30~
名曲アルバムという番組は時間も短いですし、別に意識してみる番組ではないのだけれど、テレビで放送しているとつい見入ってしまう。そんな番組でした。
最近クラシックのオムニバスを使ったヒーリングアルバムが流行のようですが、オリジナルを切り刻むだけでは効果は薄いと思います。
今、改めて聴いてみたのですが、心地よい編曲や演奏はさすがだと思いました。確かにオリジナルに手は加えられていますが、必要最小限といった形で気になることは余りありませんでした。私はこのあえて手を加えたことに、このアルバムの価値があると思っています。
MP3プレーヤーで通勤電車の中で聴いていますが、雑踏を忘れさせてくれるさわやかさがあります。
アイデンティティの音楽―メディア・若者・ポピュラー文化
「世界とはどこにあるのか」「私はその世界のどこからきて、いまどこにいて、これからどこへ行こうとしているのか」こんな問いかけがいつも心の中にある。同時代を生きてきた本書の著者は、その問いをアイデンティティと呼び、「音楽」をキイワードにして、こたえをさがそうとしている。
とりわけアメリカでロック音楽がどのように生まれたのか、その歴史的な背景をていねいにまとめている。人が音楽を生み、音楽は物語となって、さまざまな環境で生きている人びとと出会っていく。そうして物語は、それぞれの「私の世界」で、あらたな物語を育てていく。
読み進めていると、著書自身がどうやって自分のアイデンティティを求め続けてきたのか、その道筋がだんだん見えてくる。だからだろうか、私は!いつのまにか、60年代末からの平和運動のなかで「男達の議論」についていけず「ことば」を失っていた頃のこと、大学をやめたこと、運動で知り合った友だちを頼りにアメリカに行き、サンフランシスコやバークレーで元気な女たちに「自分のことばで語る楽しさ」を教えてもらったことなど、これまでの自分のジグザグな道をじっくりとふりかえっていたのでした。 ひとつのキイワードを持ちつづけるという著書の手法、生き方はとてもわかりやすい。「ことば」をキイワードとして、自分の心の中の問いのこたえを探し続けよう、と思ったのだった。
本書は、問い続けようとする人たちへの心のBGMである。