JIN-仁- 完結編 Blu-ray BOX [DVD]
脳外科医が江戸時代へ、タイム・スリップするという壮大なテーマを基に、緻密に練られたストーリーや背景に最後まで観、終えても、しばらく言葉にならない程の感動を与えてくれました。
坂本龍馬などの登場人物(仁や咲さんは、もちろんの事)が現代へと線と線が結びあい(タイム・スリップには過去を変えると未来を変えてしまうという永遠の難題が存在)愛する人への想いは、興奮や感動を超越していました。
あまり時代劇などは観ないのですが、この作品は見事に現代と過去が、リンクしていて退屈する事なく最後まで楽しめました。歴史の深さは現代へと繋がっている事も実感させて頂きました。
最近これほどの作品は、なかったのでは…そう思わずには、いられません。
そして、この国に生まれてきた事を誇りに思わせてくれました。
私たちの先祖は、こうやって苦しみ、迷い、喜び、泣き、それらを分かち合い生きてきたのだと…
JIN-仁- DVD-BOX
ストーリーは現実離れしたタイムスリップが発端となっている。
だのに何故だろう。各人に感情移入し虜にさえなっている。
やはりそこは俳優陣の力量に尽きると思います。とにかくこの布陣は特筆するに値する。
大沢たかおさん、内野聖陽さん、綾瀬はるかさん、中谷美紀さん、
この主演4人の演技は素晴らしく誰一人欠けてもここまで成功しなかったと思います。
特に個人的には綾瀬はるかさんの献身的で健気で男勝りとも思える迫真の演技には目を見張ります。
演出自体も秀逸で、決してお涙頂戴的なものに重きを置いた訳では無いと思えますが、
毎回感動して泣けるシーンがありました。勿論これも素晴らしい演技があって故のことでしょう。
原作に言及することになるんでしょうが、歴史とSF要素の融合具合が絶妙なバランスです。
根底にあるテーマも深く面白い。運命や歴史上のifが頭を巡ります。
悠久浪漫と言うのか、人間の営み、時間概念を考えさせられます。
また挿入音楽もドラマを盛り上げるのに非常に効果的に使われていたと思います。
ラストには賛否あるかも知れませんが、危惧されてたようなものにはなっていなかったと思います。
含みを持たせたのはいた仕方無いところ。映画が早く観たいです!!
日曜劇場 JIN -仁- オフィシャルガイドブック
現在の放送に合わせて第一期(2009)に放送された作品の挿話についての紹介や南方仁役の大沢たかおや橘咲役の綾瀬はるか、坂本龍馬役の内野聖陽、野風役の中谷美紀、他にも小出恵介や桐谷健太などレギュラー陣のインタビューが収録されています。
私的にはプロデューサーによる石丸彰彦氏のインタビューで『JIN−仁−』を何故映像化しようと思ったのかが興味深く、それを読んでいると近年のキャスティングありきのドラマ作りとは違い、原作に惚れ込んでキャスティングをする時に直感で大沢たかおさんを抜擢した経緯について語られており、きちんと題材に合わせてシナリオを練り、配役を決めている事がよくわかりました。
近年、低視聴率による視聴者のドラマ離れがささやかれますが、『JIN−仁−』のようにきちんと企画を提示して作られたドラマがきちんと評価されている事は喜ばしいかぎりです。
キャストに力を注ぐ以前に題材とシナリオが重要であることを考えさせてくれます。
もっとそうしたドラマ作りが増えてくれることを望みます。
『JIN―仁―』完全シナリオ&ドキュメントブック (TOKYO NEWS MOOK 232号)
本の内容としてはシーズン1とシーズン2
全22話のストーリーが台本形式で書いてあります。
私はシーズン1からリアルタイムで放送を見ていたので
台詞一つ一つを読むだけでJINの感動の名シーンが頭に浮かんできました。
何より、恐らく最終回を見た人全員が泣いたであろう
ラストシーンは文字を読んだだけで涙が出ました。
何気ない「……」の表記にも登場人物の表情やしぐさが
指示されてあって、日本独特の間の取り方も感じましたね。
何よりありがたかったのは各エピソードを担当した
演出家さんのコメントでした。
このエピソードはこういう意図で創ってあったのか
分かったと同時に演出家さんがこのドラマに注ぐ
並々ならない情熱を感じました。
脚本を担当された森下佳子さんのインタビューも
読み応えたっぷりでした。
今回完結編からJINを見た人はシーズン1の内容を知るのに、
前回も完結編も見た人は壮大で複雑なJINの物語を振り返るのに
一度読んでみてはいかがでしょうか?
値段の分の価値はあると思います。
DVD、Blue-rayのBOXの発売日が待てない人は
これを読んで発売日を待ちましょう!
ただキャストのインタビューは載っていないので
それが目的の方は別売りのオフィシャルガイドブックを
買うことをお勧めします。