花嫁になる条件 (ハーレクインコミックスキララ)
学生時代に”ライジング””ジュリエットの娘”を読んでいましたが、
本当に久しぶりに藤田先生の作品を読みました。ハーレクインコミックでの
再会はちょっと意外でしたが・・・・。
ここ数週間ハーレクインを読み漁っていますが、この作品は読んでよかったなあ〜と
思えた数少ない作品のひとつです。原作を読んでみたくなりましたよ。なにより、
読み終えたときにホッとして、特に最後のシーンにウルッとしちゃいました。
物語はよくある契約結婚物ですが、ヒロインの控えめでいて芯の強い生き方が清々しくて、
最初はかなり見下していたのに徐々に心ひかれる男性の姿が、少しおかしかったです。
読後感の良い作品です。読んで損はないと思いますよ〜。
修羅雪姫 怨み恋歌 [DVD]
第一部の悪役は仲谷昇、岡田英次というダンディ系に深作欣二夫人の中原早苗を混ぜた、まあどちらかといえば知性系。それに対して、今回は南原宏治と山本麟一という最凶コンビを岸田森の秘密警察長官が飼い犬にするという、この上ない悪意の世界が展開します。このトリオ、後先考えないで伊丹十三の思想家にペスト菌を注射したり、それが蔓延すると、今度はペストの温床になったスラム街を焼き払ったりと、まあやりたい放題。これだけヒドイメンバーを部下に抱えると、普段は東映ヤクザ映画で絶対に自己に疑問を持たないボスキャラを演じる安部徹ですらさすがに部下の悪逆非道に恐れ慄いて「悪いことはやめようよ」というのが面白い。
この悪役軍団の前ではさすがの梶芽衣子も前作ほどの存在感を示せないのがちょっと残念ですが、まるで怪獣映画並みの悪役たちの暴走ぶりは爽快感すら与えてくれます。『怨み恋歌』というよりも『怨み濃い歌』と読んだ方がしっくり来るほど、濃い俳優さんたちの無法な活躍が楽しめる、地獄絵図みたいだけど楽しい傑作です。