ドビュッシー : 月の光、亜麻色の髪の乙女
これは以前LPで出ていたものの焼き直しで、これから「フランスの印象派音楽って何」という人には絶好のオムニバス盤。(ただしフォーレは印象派ではない)アントルモンはベロフのようにパワーや技巧で押すタイプの奏者でなく、音色へのこだわりや非常に深い洞察力を大事にしている個人的には最も好きなピアノ弾きの一人である。ただしCBSのアルバム戦略自体には何もポリシーがなく、バヴァーヌで始まって花火で終わるという意味もわからないし、コンセプトもない。とりあえず名曲で、日本人に受けそうなものを集めてみました、という典型的な商業主義的アプローチなのは残念。かと言ってアントルモンの印象派全集が出ているのかというとそれもない。日本人の文化度なんてこの程度だろう、とCBSになめられているようで腹が立つ。
NHK スーパーピアノレッスン モーツァルト (2005年4月~7月) (NHKシリーズ)
フィリップ・アントルモンという、ちょっとお年を取ったピアニストの感性が反映された楽譜です。解説などは一見すると充実していますが、装飾音などは理由もなく「こういう風に弾きなさい」と書いてあります。その内容が正しければまだ良いのですが、自筆譜など原典研究が進んだ現在のモーツァルト観からは若干ずれたものになっており、少々問題があります。演奏指示の裏にあるアントルモン流のリリシズムを読み取れば「なるほど」と思えるのですが、この解説を鵜呑みにしてしまうレスナーも多いと思いますので、注意が必要です。一例を上げると、このテキストではトリルを主音から始める指示が非常に多いのです。しかし通常は補助音から始めるのが基本とされています。
モーツァルトの時代において装飾音は、演奏者自身の好みや弾きやすさによって、あるいはより自然なフレージングになるように、さまざまな考慮をしながら適宜変更して良いとされていました。そして何より、そういう変更ができるように「自分で考える」ことが重要だと思うのです。しかしこの楽譜のように最初から第三者の指示がなされていると勉強になりませんし、自由な発想を阻害してしまいます。また単純な問題として、主音から始めると5連符・7連符になってしまう場合でも、補助音から始めれば6連符や32分音符など割り切れる音符になって、拍子に乗せやすいのです。
このテキストに載っているソナタは結構難しくて、中~上級者でないと弾きこなせないと思います。そして中~上級者であれば、それ相応の楽譜を用意していただきたいので、このテキストを用いて学習するのはあまりおすすめできません。あくまでも番組解説用であり、フィリップ・アントルモンというピアニストの感性を反映した楽譜ということを意識した方が良いと思います。
ガーシュウィン:ラプソディ・イン・ブルー,グローフェ:グランド・キャニオン
ガーシュイン というと どうしても ジャズの 作曲家 の イメージ だが やっぱり この人は 生半可に 音楽を 勉強 していなかったのが よくわかる !
ラプソディー・イン・ブルーの なんと 素晴らしいこと !!!!
完全なる クラシックだ。
パリの アメリカ人は いかにも パリで もたもた してる アメリカ人の 情景が 目の 前に 現れてきそうだ!
また グランド キャニオン では アメリカの 壮大さが 実に よく あらわされている。
改めて ガーシュイン が 天才 だったと 感じさせてくれる 一枚だ。
この 三曲が 入って この お値段 !
フィラデルフィア管弦楽団 の 演奏も なかなかの ものである。
ジャズの 山下 洋輔の ラプソディー ・イン・ブルー と 聞き比べてみるのも 一興 かと 思うが いかがなものか・・・・?