伊豆・小笠原弧の衝突―海から生まれた神奈川 (有隣新書)
神奈川県民として次なる危険を知っておきたくて買った本だが、伊豆・小笠原弧から伊豆半島、神奈川、丹沢、房総半島について、地形・地質とその形成史、火山活動、活断層と地震、化学合成生物、伊豆・小笠原弧の過去・現在・未来まで、一般向けとしてはこれ以上は無いほどの詳しい内容となっている。図と写真が豊富なのがまたうれしい。関東・伊豆の活断層一覧もありがたいし、818年から1978年までに関東・伊豆で起きた地震の一覧表も大変参考になった。富士山の活動については歴史的文学作品も参考にされていてわかりやすい。
本当にこのあたりには火山が多いし活断層も多い。箱根火山の大規模噴火は国府津・松田断層の活動と連動していること、その断層は活動期に入っているというくだりは、なんだかざわざわした。一度読んだだけでは覚えきれず何度も読み返しているが、調べたいことがある時の辞書としても大変役立つ本書。星5つ。